自分にとっての豊かさに触れる時。| いま、ここにあるもの #144

Ver.1.0.1

– いま、ここにあるもの。ここにある想い。-

「あなたにとって、豊かさとは何ですか。」「あなたが豊さを感じるのは、どんな時ですか。」これら問いはきっと、これまでの１年をふり返り、これからの１年でより自分を生きていくための、とても重要な問いだと思うのです。そんな問いを自分に投げかけつつ、ここ最近の出来事をふり返ってみました。

2024/05/23　MURAKAMI / NIIGATA / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi

– 世界の移ろいを眺める –

有難いことに先日、車をいただきました。そんな流れもあり、この前の移動は、大阪から盛岡までの車旅となりました。その出発の日、自分の勘違いから予定が午後にズレ、この際ついでにやれることをやってから出ることにして、結果的に２０時を過ぎてから大阪を出発したのです。そこから下道を延々と。約 1,000km の道程を、車中泊で一泊、宿で二泊の計三泊四日で駆け抜けました。

延々と続いている街並みや行き交う車を眺めつつ、そこに在る人の営みを目に焼き付けながら。これらは、飛行機や新幹線、高速道路での移動で見逃してきたものです。家や車の数だけ、人がこの世界で生きていて。そう実感できた気がしています。もちろん、この世界のごく一部ですが。その時間は僕にとってとても重要で、妄想し続けてきたバンライフの、本質的な要素を教えてもらったのだと思っています。

そんな時間の中で、朝焼けや麦秋を迎えた畑、地に根付いた樹々や穏やかな風、夕焼けに染まる田んぼや海など、それらを眺めている時間がとても豊かな時間だと思えました。今ふり返ると思えるのですが、自分としては多分、自然と人とが仲良くしている場所で、それを眺めるのが好きなのかと。もちろん、都会の中にもそれはあります。ただ、近年の開発では、それはどんどん失われている要素に思えます。

自然と人とが仲良くしている場所で今日が始まり、今日が終わっていく。そんな世界の移ろいを眺めている時間をとても豊かに感じました。写真に切り取りきれないことはわかっていても、何度も何度も車を停めて。自分で運転しているから、電車のように眠ることはできません。けれども、車で、しかも下道での移動は、こんなにも豊かなものなのだ、と実感した四日間でした。

2024/05/23　NIIGATA / NIIGATA / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi

他にも、友人の店や行ってみたかった店や場所に寄り道できたことにも、とても豊かさを感じました。この移動では北陸を通ったのですが、こちらを通るのは久しぶりで。友人が営む食堂や通ればいつも寄るお店、行ってみたかった食堂や喫茶店にお邪魔して、とてもよき時間を過ごすことが出来ました。他県の友人の雑誌やＣＤにも出逢えたし、思いがけぬ再会もありました。

これら部分もまた、自分にとっての豊かさを感じる部分です。自分のタイミングで、自分の行きたい場所に行き、逢いたい人に逢い。それが成し得るかどうかはお互いのタイミングにもよりますが。そして違いに触れる。その違いがまた、僕に気づきを与えてくれて。それを、極力ゆっくりとした歩みで、心穏やかに丁寧に行うこと。タイミングを信頼しながら。そんな日々は僕にとって、とても豊かな日々です。

スキナトキニ
スキナコトヲ
スキナトコロデ

この言葉は僕にとって、とても大切な言葉でした。今も変わらずに。改めてそう思います。ある意味わがままですが、自分が心から望む人生を歩むこと以上に望むことはありません。そして、そんな日々はとても豊かだと思います。自然と人とが仲良くしている場所で世界の移ろいを眺め味わいながら過ごし、自分のタイミングで自分の行きたい場所に行き、逢いたい人に逢う、それが自分にとっての豊かさです。

別に、いつもどこかに行っていたい訳ではありません。竹原も盛岡も、自分にとっては好きな場所だし、他にも旅を通じてたくさんの好きな場所ができました。そんな場所に暮らしている大好きな人たちに逢いに行き、お互いの今を確認し合って、またタイミングを得て次の場所へと移っていく。今の僕の、竹原と盛岡を行き来しながら、人を訪ねて旅をする暮らしは、そんな有難い日々です。

2024/05/23　MURAKAMI / NIIGATA / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi

– この瞬間を切り取る –

そんなふり返りを終えた今改めて、最初に書いた問いを自分に問いかけ、今の自分の想いを切り取ってみることにします。

「あなたにとって、豊かさとは何ですか。」

僕にとっての豊かさとは、自然と人とが仲良くしている場所で世界の移ろいを眺め味わいながら過ごし、自分のタイミングで自分の行きたい場所に行き、逢いたい人に逢うことです。

「あなたが豊さを感じるのは、どんな時ですか。」

目の前の相手の素に触れたり、世界の移ろいを眺めながら、ここに居る自分自身に触れられている時、なのだと思います。

2024/05/23　TSURUOKA / YAMAGATA / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi

これらの解は、死ぬまで持ち続けているかもしれませんし、投稿を終えたらすぐに変わってしまうかもしれません。多分それは、どちらでもいいのだと思います。解を出したら変えてはいけないのではなく、この瞬間の自分はそう想い、そう考えたということなのだと僕は思っています。大切なのは、自分にとって重要な問いを持ち続けることの方かと。そして、正解は手放して、自分が納得できる解を得ることも。

何にせよ、あなたにとっても、僕にとっても、今日という日がより、豊さを感じられる一日でありますように。そんなことを祈りながら、最後に問いかけをして、この投稿を締めくくることにします。

あなたにとって、豊かさとは何ですか。

あなたが豊さを感じるのは、どんな時ですか。

おわり

” 「いま、ここにあるもの」では、小林豊の独り言をつらつらと書き記しています。この投稿をする１番の理由は自分自身が思い出す為なのですが、それが巡り巡ってたまたま、この独り言を必要としていた人の元に届くのも嬉しいなとも思います。そんな小さな奇跡を信頼しつつ、自分の内側にある想いを言葉にしています。”

よかったら、こちらの投稿もどうぞ。