心から笑える世界が広がること。| いま、ここにあるもの #129



最終更新 2019/09/01
Ver.1.0.2



– いま、ここにあるもの。ここにある想い。-




僕は、「 幸せ 」を別の言葉で表すとしたら、
「 心から笑うこと 」と表現します。

2017/01/14 SHINJUKU/TOKYO/JAPAN Photo by COBAKEN



– 心から笑える世界が広がること –


あれは、2010年の夏でした。


自分にとっては外側の自分が崩壊した年であり、再起のタイミングでもあった年の夏に、瀬戸内海にあるとある小さな島に、導かれるかのように行く機会が生まれました。


そこは太平洋戦争末期に、潜水艦の特攻部隊である「 回天 」の訓練が行われていた島で、島にある記念館で「 自分たちにはもう、明日はない。」という状況にある人たちが、とてもステキな笑顔で笑っている写真を見て、とても不思議な気持ちになりました。

その、自分にとって想定外すぎるその写真の心境を、僕はその瞬間に理解することはできませんでした。そしてそれからもしばらく、その写真のことが頭から離れなくて、思い出しながら考える日々が続きます。


しばらく経ったある日、何となくではあるけれど、その人たちの心境を自分なりに理解できた瞬間から、「 心から笑う 」ということが、自分にとっての幸せな状態を言い表す、とてもとても大切な表現になりました。


「 自分たちにはもう、明日はない。」という人が、心から笑えているということは、「 今 」という瞬間を過ごしているのだと僕は思いました。過去や人などへの後悔や執着などは手放され、未来を心から信頼して、「 今 」という瞬間に生きている状態です。


そんな風に、僕なりに理解したその写真の心境は、今も変わらず、僕の中でとても大切なスタンスとして、毎日を支えてくれています。


それに加えて、過去も未来も「 今 」に含まれている、ということを、この7年間の旅する暮らしの中で実感する機会が、何度も何度もありました。


そんな体験の結果、大切なのは「 今 」この瞬間なのだと思うです。僕らが生きているのは「 今 」という瞬間で、その「 今 」が全てを決めてくれます。




そんな想いもあって、僕がこれまでも目指し、これからも目指していくのは、「 心から笑える世界が広がること 」です。


しかもそれは、あくまで主体的に、本人が心から望むからこそ増えていく、そんな広がりを大切にしています。意図して広げるのではなく、当事者が望んで広がることであり、欲求を刺激して増やすのではなく、主体的に増えていくことを僕は望んでいます。




ちなみに「 今 」という瞬間に生きる人を増えるということは、過去の自分を受け容れ、自分を信頼して、自分と仲良く過ごしている人が増えるということだと考えています。


それは、自分は常に充たされていることを知っていて、自分を生きる人が増えることでもあるので、心に余裕を持った人が増えるということになります。


実際に、そんな人たちが増えていけば、どんな世界が広がるのでしょうか。


例えば、やりたいことを素直に、想いや夢を語れば、人から自然と応援され、人の想いや夢を自分も応援する、そんな世界が広がるのだと思っています。相互で応援し合うそんな関係性が簡単に生まれ、「 助け、助けられる世界 」が広がるのでしょうね。


そんな世界では、自分と向き合えている人が増えてもいるので、一人ひとりが価値観や世界観などが違うことや、人の数だけ個性があるということが前提として、より多様な世界が広がっていくことになるでしょう。




対話の時代への移行がもう1段階進むであろう2027年を迎える頃にはもう、この世界の前提はそんな風に変わってきていると思っています。そして、その変容のピークはまさに「 今 」、2018年から2020年にかけてだと思うのです。



2017/03/18 SAPPORO/HOKKAIDO/JAPAN Photo by COBAKEN



– 心から笑える世界でのスタンダード –


未来の世界にそんな環境があるとしたら、もともと僕ら人間が持ち合わせている能力をきちんと活かして、相手の想いに沿える人が増えていて、それがその世界の基準になるのだと思います。


そんな人たちは、対等な関係性で相手の想いや基準に沿って話が聴くことができます。つまり、きちんと相手の話が聴けて、きちんと相手に問いかけられる人が、たくさんいるということです。


そんな未来では、僕らのようなファシリテーターやコーチ、カウンセラーなど、コミュニケーションを生業にした人の数はとても少なくなります。


その理由は、きちんと相手の話が聴けて、きちんと相手に問いかけられる大人が地域にたくさんいて、子供の頃からその環境で育っていれば、人や自分とよい関係性を築けるからです。


それに、コミュニケーションに悩み、それを仕事にするほど学び、人の役に立ちながら自分を浄化していく必要がある人自体が減ることにもなります。




ただ、コミュニケーションを生業にする人たちの、本質的な部分は必ず残ります。


人と人とのコミュニケーションはこの先の世界でより大切になるものだし、これまで積み重ねられてきた先人の智慧は、時代に合わせてさらに積み重ねられ、必要に応じてさらに進化していくでしょうから。


そうやってより本質に近づきながら、智慧や想いが人から人へときちんと伝えられていくことになるのでしょうね。




そして、そんな未来を生きる人々は、自分の感情、自分の喜怒哀楽と仲良しです。自分の声にきちんと耳を傾け、自分とのコミュニケーションの大切さを知っている、自分と仲の良い人が多いです。


そんな自分で、出来事や状況を愉しむことを大切にしながら生きています。その背景にあるのは自分や他者への信頼であり、世界やタイミングへの信頼です。


そのおかげか、病は今よりも少ないでしょう。予防と治療とがバランスよく行われることが目指されていて、人の心をより大切に扱う方向に進んでいるでしょう。




とはいっても、そうではない世界もまだ残されてはいますが、僕らの潜在意識は人がよりよく在ろうとする想いと、可能性を信頼することに重きを置いていて、力を持った人たちが多くの人を支配しようとする力は、どんどん弱まっていきます。


そのあたりも、時代の変化の象徴のひとつだと思います。




それと、人々は引き寄せの法則や森羅万象の巡りのことなど、僕らが生きる自然界の当たり前の法則を思い出していて、日々の暮らしの中でそれを活かしながら過ごしています。


自分たちが必要な分だけ受け取り、余剰のものは必要としている人に巡らせ合える、そんな世界であり、そんな関係性です。それを大人が実践していて、家庭や地域で子供たちに伝えていくための環境が広がっています。


それなので多くの人は、この世界自体をとても大切にしていて、自分たちが生かされているということを知っています。そして、まわりの大切な人たちと本音の関係性を結び、毎日を心穏やかに生きる歓びを思い出している人が多いです。


あと、本人に委ねることの大切さ、葛藤を見守れることの大切さ、素直であることの大切さなどを知っている、人としてとても美しく、内外一致したバランスのいい状態が、人が目指す姿の象徴になります。



2016/12/19 TEKEHARA/HIROSHIMA/JAPAN Photo by COBAKEN



– 心から笑える世界に必要なこと –


ここまで書いたことは、かれこれ20年以上かけて積み重ねてきた、僕の勝手な夢物語であり、旅や対話を重ねてきた結果に見えてきた勝手な妄想でしかありません。それなので、それが現実になる保証なんて、どこにもありません。


でも、それでも、未来を生きている自分にとっては確実に、思い出となってふり返っていることだと確信していて、そんな未来に向けて必要なことを積み重ねながら毎日を過ごしています。


その積み重ねの中で感じた、心から笑える世界を広げていくために必要なことは、この世界に生きる人々がそれぞれ、世界を自分ごとにして自分を生き、よりよき世界に向けて1歩を踏み出すことです。


それは、個人個人が過去の自分と仲直りすることであり、未来の自分を信頼することであり、今の自分をまっすぐに感じながら、目の前に届く出来事をプレゼントのように歓び、愉しむことです。




そのためにも人は、過去をそのまま受け容れ今に活かす力と、心躍る未来にシフトする力を備える必要があります。


願わくばそれは代々、地域で受け継がれていく学びであり、全世界に公開された智慧であって欲しいのですが、今はまだほとんどありません。


でも、その兆しはすでに、この世界の中にたくさん生まれているのを感じます。




そこでポイントであり、課題になるのが、目には見えない心の部分だと考えています。


テックニックやスキルはどんどん開発されて、溢れるくらいに世の中にあるのですが、目には見えないスタイルやスタンスを確立するためのプロセスも意識もまだ、僕らは忘れてしまったままです。


それに、心躍る未来にシフトすることは、誰かの力を借りればどうにかなりますが、本当の意味で過去や自分を受け容れるには、自分でやる以外に方法はありません。




それなので、そんな未来に向かうためには、心の根っこを育てることが必要だと思っています。自分という生き方を支える、大切な根っこの部分です。


今の僕にとってのその手段が、対話を日常に取り入れて、旅をするかのように違いを愉しむことです。それは、自分の中にある矛盾をも肯定しながら生きていくことでもあります。


対極を同居させられる状態を自分の中に築き、対話の時代を生きる人間として基本となる状態を保つことです。そうやって、真ん中の自分で自分らしく生きれば、自ずと心に栄養は行き渡ります。




ちなみに、そんな人のあり方は、僕らが向かう未来では当たり前になっているのだと思っています。


実際に、僕よりも若い世代にはそのための能力が備えられていることを実感してきました。今、その能力に蓋をしているのは、前時代を生きてきた僕ら大人です。


でもそれは、彼らが世の中を担う頃にはきちんと外れ、当たり前の状態として扱われることになるでしょう。


そう考えれば未来は見えてくるし、その変化に抗う必要はありません。ただ出来事を肯んじながら、今の自分にできることを積み重ねていくことです。


その未来の、その先に生まれてくる子供たちからすれば、前時代に生きた僕らが、どちらが正しいのかばかりを気にしていたことや、目に見えるものしか信じていなかったことや、搾取する側と搾取される側がいたことや、戦争という殺し合いを行っていた、などの歴史を知って驚くのかもしれません。


僕はそんな未来がいいな、と思います。




そんな風に、自分の心も含めて平和な世界から始めた人生だと、どんな自分を体験できるのでしょうね。




僕らが生きるこの世界は、自分自身を映し出してくれる鏡です。我慢の目の前には我慢が生まれるし、自分の想いを大切にすれば、目の前の人も自分の想いを大切にすることになります。


それなので、変わるのは人ではなく、自分です。
どうあっても、鏡は先に笑いません。


だから、変わるのは僕自身です。


こんなことを書いている僕自身が率先して、毎日を愉しみながら変わり続けていきます。



2016/07/01 OITA/OITA/JAPAN Photo by COBAKEN



– 胸を張ってこの世を去るために –


僕はいつからか、1000年後の子孫のことや世界のこと、それを見据えた上で今を考えるということを行ってきました。


とはいっても、その頃の文明がどのようになっているのかなんて、20世紀に生まれ、21世紀の初めを生きただけの自分には想像もつきません。僕は予言者ではないので。それに、先頭に立って人を導くリーダーでありたいわけでもありません。


昔はそんなヒーロー的な存在に憧れもしましたが、今の僕にとってはどうでもいいことです。ただ単に、祖先から受け継がれてきた大切なことを、大切な子孫にきちんと渡し、想いや時代を紡いで、胸を張ってこの世を去りたいだけです。


それなので、手段はその時代を担う人たちに任せて、これまでもこれからも変わらない、人の心の部分を掘り下げ、大切にしていきます。


そんな風に、31世紀の世界へ想いを馳せながら、まずは22世紀に何を遺すのか、なんて想いを馳せて毎日を生きています。そして23世紀、24世紀へと想いは受け継がれていくのでしょうね。


そんな未来を信頼して、「 今 」という瞬間に生きることだと思うのです。自分自身がフラットに生きて、心から笑える時間の中に身を置くことです。それは自分らしく、心穏やかで丁寧な、心地のいい毎日なのだと思います。




とはいっても、24時間、未来のことばかり考えていても仕方がありません。過去も未来も含まれた「 今 」を生きながら、必要な時に思い出せたらいいのだと思います。


そうすれば自ずと、今以降の未来、1年後、5年後、10年後、30年後、50年後の未来に紡がれていくのだと思っています。過去と仲直りできた分だけ、未来への信頼は広がっていくものですしね。


心から笑える世界が広がる、ということは、そんな環境を生み出していくことであり、そういう文化が生まれることなのだと思います。それは誰かがコントロールするのではなく、僕らがそれぞれの役割を担って、カタチにしていくものです。


そんな風に僕らはみんな、変容の戸口に立っていて、これまで踏み出すことができなかった1歩を、みんなで踏み出すのだと思うのです。




ということで、これまでも、これからも変わらない、人の心の根っこのことを旅や対話を通じて掘り下げ、自分が実践しながらまわりにいる、それを必要としている人に伝えていきます。


そして、自分を生きることを選んだ人の想いや可能性を促し、自分を生きている人が、自分もまわりも輝かせるための活動をサポートしていきます。そうやって僕自身が動き、変わり続けることで、想いを同じく持つ仲間と出逢い続けていきます。








長々と言葉を綴ってきましたが、心から笑える世界にシンクロするところがあれば、よかったら一緒に歩んでいきましょう。違う世界を描いているのであれば、お互いの想いを尊重し合いながら、それぞれの道を進みましょう。


この先の時代は特に、それでいいのだと思います。どちらにしても僕らは、想いが同じでも違っていても、この地球、この宇宙に生きる存在として考えれば共同体なので。同じであることも、違っていることも必要なのだと思います。




おわり




” この「 いま、ここにあるもの 」では、小林豊の独り言をつらつらと書き記しています。この投稿をする1番の理由は自分自身が思い出す為なのですが、それが巡り巡ってたまたま、この独り言を必要としていた人の元に届くのも嬉しいです。そんな小さな奇跡も信頼しつつ、自分の内側にある想いを言葉にしています。”




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【 ひとりごと。#108 】それが僕が想う地域教育であり、その地域教育が目指す姿です。




    




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