深度を深める。| 旅の途中の #033



Ver.1.0.0



– 旅先からの、友への便り。-






– 深度を深める –


芒種 二〇二五年六月五日〜六月廿日




 変わらず元気にしていますか?僕はそのまま、盛岡で過ごしています。改めてこちらも、日中の気温が上がってきました。今はもう、半袖で過ごしています。けれども、日中も日陰は涼しいので、こんな気候が続けばいいのに、なんて思ってみたり。今のところ、家の中は涼しいのです。窓を開けても、気持ちのいい風が入ってきてくれて。エアコンは好きではないので、そんな気候がとてもありがたいです。


例えば、温かい湯に浸かって温まった身体を、涼しい風に当たりながら冷やしていく時間は、とても気持ちがいいです。風呂上がりではなくても、外で風を浴びながら気持ちがいいと思える時間が好きです。風呂上がりであれば、傍にビールを置いて。緩やかに揺れる木々や景色を眺めながらのビールは最高でしょうね。そういえば、この前の別府で誕生した、ほぼ知る人の居ない新名所でのそんな時間は最高でした。


気温が上がったのもあり、風呂上がりにいつも、ビールでも呑みたいな、と思うのですが、まずは水分補給に強炭酸水をごくごく飲むと、ビールを呑みたかった気持ちがすぅっと消えていくのが面白くて。この現象に名前をつけたいくらいです。あの気持ちは何だったんだろう、と思ってしまいます。純粋に、炭酸の喉越しを欲しているのですね。ビールが思い浮かぶのは、刷り込みや思い込みからなのでしょうか。


*


 三男の肌の調子は、おかげさまでよくなる兆しが見えてきたところです。いわゆる、標準治療を行っていれば、もっと短期間で肌は回復したのだと思います。けれども我が家では、それを選択しませんでした。一時は薬を使ってはいたのですが。ワセリンを混ぜて週単位で濃度を下げながら、段々と薬から離れていくと、また荒れてくるのです。そしてまた、薬をそのまま使うことになる、の繰り返しでした。


この選択はコロナ禍以降、医療界に対する不信感がより増したことも、その要因の一つでもあります。おかげで、医療界も政府も信用はしていません。この世界を共に生きる存在としては信頼していますが。そういえば、旅する暮らしを始めた頃は、建築業界に対する不信感がピークでしたね。そんな風に、大きな何かに対する不信感は年々、増してきました。ここ十数年、テレビを見る習慣もありませんし。


とはいえ、現場は一生懸命なのだな、と思う機会が多々あります。もちろん、そうではないこともありますが。そんな姿を眺めていると、一所懸命に取り組む人たちが報われる世界がいいな、と思うのです。想像以上にこの世界は、ごく限られた人たちにコントロールされているのでしょうね。それが誰なのか、僕如きが実際に知ることはできませんが。こんなにも茶番だらけなのかと、呆れている自分がいます。


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 そんな世に生きているからこそ、改めて自分や自分たちが大切にしたいことを、大切にしながら生きたいなと思います。そんな個人や小さなコミュニティが増えてきた頃に、もしかしたら世界は更に大きな変化を迎えるのかもしれません。その点では、盛岡の家での日々はとても素朴で、佳き日々を過ごすことができています。心穏やかに、丁寧に。自分に素直に、正直に。家事をして、自分の作業をして。


僕自身は、ご飯と具沢山の味噌汁があれば満足、という食生活が基本です。ジャンクなものも相変わらず好きではありますが。妻と三男のためのおかずを作り、僕はそれを少し口にするくらいで。盛岡に居る時は、お酒もそんなに呑みません。水は、車で10分弱のところへ週に二回汲みに行っています。それを鉄瓶で沸かし、苦汁を数滴入れて飲む。竹原の塩ひと摘みと一緒に。それが僕の、毎朝の始まりです。


三男は肌の養生のために、小麦粉と乳製品を取らないようにしています。そのおかげで、世の中にはこんなにも小麦粉や乳製品だらけなのだと知ることができました。小学校には弁当持参で、外食では食べられるものは限られます。添加物も、可能な限り控えるようになり、調味料は自ずと原材料がシンプルなものに変わっていきました。それは、妻の焼き菓子にも影響していて、明確な問いを与えてくれます。


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 話は変わりますが、先日やっと、この前の節分までの十二年をふり返った記事を投稿することができました。まだまだ、自分でもわからない部分が多いですが、それでも自分が得た学びやこの先に自分が目指すものなど、見えてきた部分もあります。きちんと話が聴けて、きちんと問いかけることができる大人が増えること。僕自身もより、きちんと人の話が聴けるよう体験を重ね、本質を理解できるように。


ひとまずそこに向かえばいいのだなと思えました。ただ、意図的に増やそうとするのではなく、結果的に増えていく状況をいかに作れるか、だと考えています。そのためには、とにかく愉しむことかと。僕自身が心から愉しみながら、人の話を聴けるといいのではないかなと。そんなことを想っている人はこの世にたくさんいるはずなので、それぞれが心から愉しんでいれば、自然に広がっていくのだと思います。


それを続けていくためにも、自分自身を更に緩める必要がある、と最近は思うようになりました。自分の、更に深い部分で人と関わり、よりよい波を広げるために、です。それが、長年頭を悩ませていた、人との関わりにおける相手の想いというか、内面との干渉を解決するための、鍵となるのではとも考えています。とはいえ、どうすればそれができるのかはわかりませんが。とにかく、色々試してみます。


*


 さてさて。今日はこれから、五年ぶりに逢うファシリテーション仲間とお茶してきます。そんなに時が経ってしまったのかと驚きではありますが、どんな時間になるのやら。普段から対話をしている人との対話の時間を欲している僕としては、とても有難い機会です。今日は天気もよく、久しぶりに街中まで歩きながら写真を撮ることもできそうだし。ふり返ってみると、ここ最近は本当に引きこもりでした。


次の節気は夏至です。陽極まりて陰となるのですね。しかも今回の夏至は、とても影響がありそうな情報ばかりを目にしますし。今年の夏至は、どんな機会になるのでしょうか。何にせよ、皆がこの先も元気に、佳き日々を過ごしてくれることを祈るばかりです。家族や、あなたのような気の置けない、身内同然の友人たちが、自身の魂が歓ぶような、自分の人生を生きられるように。


そんな祈りが届くよう、一年で一番日の長い日を過ごせたらと思っています。穏やかに、緩やかに。目の前の相手の歓びは、僕自身の歓びでもあり、相手と僕は違う存在ではあるけれど、同じ存在のようです。僕自身、世界の全てを受け容れられる、そんな存在になりたかったのですが、そこには全然至れていません。けれどもそんな自分を大切にしながら、また少しずつ自分の器を広げていくことにします。




二〇二五年六月十二日

小林 豊





2025/06/01 MORIOKA / IWATE / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi




2025/06/02 MORIOKA / IWATE / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi




2025/06/07 MORIOKA / IWATE / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi






おわり




” 「 旅の途中の 」では、旅先から届ける友人への便り、として言葉を綴っています。二十四節気の暦に沿ってお届けできたらと。そんな便りの中で僕の、日々の些細な出来事を通じた気づきを貴方に共有させてください。それが結果的に、互いが生きる日々にとって、より佳きものになれば幸いです。”




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