– 旅先からの、友への便り。-
– 妄想に、妄想を重ね –
大暑 二〇二五年七月二十二日〜八月六日
暑中お見舞い申し上げます
暑い日が続きますが、変わらず元気にしていますか?僕はそのまま、盛岡で過ごしています。どことなく流れが変わってきた、そんな感覚を受け取りながら。このまま、今年の原爆の日も盛岡で迎えることになりそうです。そして、広島の原爆の日の翌日はもう、立秋なのですね。毎年、暑さでピンと来ない暦ではありますが、それでも段々と、風の様子や虫の鳴き声などで秋を感じ始める時期がやってきます。
三男も夏休みに入り、今年の夏はどこに出かけようかなと考えているところです。最低一度は海に連れて行くとして、向かうのは最寄りの沿岸部、宮古辺りでしょうか。盛岡からは車で一時間半ほど。全く使っていない水泳道具を活用して、身体を海水に浸けてくれるといいな。あとは、今週末からのさんさや再来週の花火など、珍しくこの時期に盛岡に居た昨年同様、近隣の夏を愉しめたらと思っています。
旅の方は、次の目的地は竹原と決めているのですが、出るタイミングを探っているところです。可能であれば、たくさん寄り道しながら向かえるといいな。寄りたいところはたくさんあるのです。けれども久しぶりに、仙台から名古屋までフェリーに乗りたい自分もいます。昨年の四月からフェリーに乗っていないので、あの緩やか時間が恋しくて。色んな選択肢がある中で、どの経路を選ぶことになるのでしょうか。
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それとは別に、久しぶりに北に向かいたい自分もいます。八戸からフェリーで苫小牧に向かい、札幌などを経て函館からフェリーに乗るのもいいなぁ、とも思ったり。そして、青森や秋田を経由して盛岡に戻る、そんな妄想も重ねています。もしくは、小樽から新潟に向かい、そのまま竹原に向かうのもいいですね。そうなると、新潟から長野を通るのか、富山や石川を通るのか、とても悩ましいところです。
あと、沖縄にもしばらく行っていないので、久しぶりに行きたいです。前回の那覇でも、すっかり雰囲気が変わった気はしましたが、それでも僕の旅する暮らしの原点なので。あの頃のようなゲストハウスにはもう、出逢えないのかな。僕にとって初めてのゲストハウスである柏屋に滞在していた時間が、とても心地がよくて。それが僕にとってのゲストハウスの基準です。最近はあまり泊まらなくなりましたが。
久しぶりの沖縄を味わってから、フェリーで鹿児島に向かうのもいいですね。久しぶりに訪れる鹿児島や宮崎、熊本からも、とても佳き刺激をもらえそうです。パスポートを更新していないままなので、台湾経由で、という発想は生まれていませんでしたが、そんな移動もありでした。DAIKI と一緒にアジア旅をしたのも、もう十二年前。今の自分で訪れたらまた違った視点でまちを眺められそうです。
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ひと回りを経た旅する暮らしも、改めて色んな妄想が広がってきています。十二年前の自分よりは勢いのなさを感じますが、これはこれで佳き感覚です。今の自分として一つひとつ積み重ねていきます。その中の鍵となるであろうバンライフに向けて、今はまだ情報集めと妄想を重ねている段階なのですが、新しい車両の中ではマツダのボンゴブローニイバン 2.8Lがより良いな、と思うようになりました。
日本中を駆け回るために排気量が大きい車両の方がいいなと思いまして。車旅の試みで使った、アウトバックは 2.5Lなのです。長距離を走るのに、やはり楽だったなと。ブローニイバンはハイエースのOEM商品なので、運転時に観察するために同型のハイエースに焦点を合わせると、世の中はハイエースだらけなことに今更気がつきました。妻を送る道中だけで、あそこにもここにも見かけるのです。
それならば余計に、マツダのエンブレムをつけていた方が少なくていいなと、強く思った次第で。もしくは、古いモデルのバンを手に入れるのも良さそうです。走行距離は凄そうですが、味はありそうですし。今のところ、来年の春までにはバンライフ始める予定なので、その頃に向けて行動を増やしていきます。塩と生活道具の店も同じく、具体的に妄想して行動を重ねて。
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そんな妄想が増えてきた最近は、人生の種まきの前段階にあるのだなと思えるのです。十二年ぶりに巡ってきたこの季節。どちらかといえば得意な季節です。そんな時期を過ごしている中で改めて、家で一緒に晩ごはんの準備をしつつ、お酒を呑み話をする時間がとても好きなのだと実感しました。外で呑むのもいいのですが、屋外は特に好きです。けれども、台所でのそんな時間にとても幸せを感じます。
思い返せば、そんな時間を共にした記憶は、印象深い思い出として僕の中に刻まれています。家族や親戚、自分にとっては家族同然、身内同然の友人たちであったり、旅先での一期一会のご縁であったり。そんな何でもない、けれども特別な時間を過ごせたことは、僕にとってかけがえのない、旅する暮らしの中での大切な思い出となっています。日本だけでなく、香港やセブでもそんな時間がありました。
そんな時間を、改めて増やしていけるといいな。一緒にご飯を作りながらお酒を呑める環境に身を置ける関係性やご縁に感謝しながら、この先も旅する暮らしを続けていけると嬉しいです。気の置けない存在との、もしくは旅先で出逢ったご縁ある人との、緩やかで穏やかな時間を過ごせることを望んでいる自分がいます。そんな時間の中で、穏やかに対話を積み重ねていけると嬉しいです。
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さてさて。少し前の話になりますが、三月に竹原に戻った時にやっと、携帯の使い方を変えしました。後々はガラホにする予定で、その前段階として今は、スマホのモバイルデータ通信を切り、電話としての機能のみで使っています。それと、データ通信用にモバイルルーターを契約し、出先で必要があれば電源を入れて使ったり、その場のネット環境を活用しながら過ごしています。思いの外、心地がよくて。
家に居る間は変わらないのですが、出た時にスマホが使えないのは解き放たれた感覚があるといいますか。スマホを手に入れて以来、いつも電波がつながっていることでたくさんの恩恵を受けてきました。そのおかげで、日本でもアジアでも、自分のスタイルで旅する暮らしを続けることができたのだと思っています。それを少し手放してみることに決めました。今のところ、特に問題はなく過ごしています。
出先ではメッセージなどの反応が遅くなりますが、急ぎであれば電話やSMSが使えますし。それに、今の僕にとってメッセージは手紙なので、文章を書いて返信するのに時間を伴うことも増えました。この先もこうやって、世の流れから降りていく部分が増えていくのでしょう。来月には誕生日を迎えますし。四度目の年男です。より本来の自分で過ごせるよう、次は何を手放していきましょうか。
二〇二五年七月二十九日

2025/07/16 MORIOKA / IWATE / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi

2025/07/17 KITAKAMI / IWATE / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi

2025/07/19 HANAMAKI / IWATE / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi
おわり
” 「 旅の途中の 」では、旅先から届ける友人への便り、として言葉を綴っています。二十四節気の暦に沿ってお届けできたらと。そんな便りの中で僕の、日々の些細な出来事を通じた気づきを貴方に共有させてください。それが結果的に、互いが生きる日々にとって、より佳きものになれば幸いです。”
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これまでもこれからも
心がおどる、たのしい日々を。
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございます。
– 自分らしく、しあわせに生きること –
COBAKEN LIFESTYELE LABO

1977年、広島生まれ。ファシリテーター。広島県竹原市と岩手県盛岡市の二拠点生活+旅。スキナコトヲ スキナトキニ スキナトコロデ、とういう生き方。ファシリテーターとして促すのは、目の前の相手の人生。
詳しいプロフィール ⇒ cobaken.net/profile