– いま、ここにあるもの。ここにある想い。-
アウトバックを譲っていただいてからの、三ヶ月間の、10,490 km の下道車旅の試みを終えました。覚えているうちに、この試みのことを言葉にしておきます。
– 下道を走る速さで –
まず、車での移動や車中泊での旅は、今の自分に合っていると思いました。運転することが好きというわけではないのですが、苦でもありません。もちろん運転に集中はするけれど、色んな思考が流れていき、時に大声で歌って内側にある何かを祓う時間は、自分を整えるのにとても有効でした。元々、移動は自分が受け取ってしまった何かを手放す時間だとは思っていましたが、こんなにも手放せるなんて。
それに、旅する暮らしを続けてきて思うことのひとつに、可能な限り遅い移動手段で移動する方が後々のためによい、という仮説があります。飛行機や新幹線など、速度が速く一気に移動できるものは、遅れて疲れがやってくる感覚がありまして。それなので年々、鈍行や高速バスやフェリーなど、可能な限り遅い移動を選ぶようになりました。時に、時間を買う必要がある時は飛行機や新幹線に乗っていましたが。
そんな観点からしても、下道を走り続けることは、今の自分に合っています。歩きで旅をすれば自分本来の速さなので、それが一番よいのでしょうけれど。今の、二拠点生活+旅という自分の生き方では、それを選ぶことはなさそうです。一時期、憧れはしていましたが。下道を走る速さで目の前に広がる愛おしい景色を眺める、それが今の自分にとってはちょうどいいようです。
– 車での暮らし –
移動を終えた夕方や、風呂上がりの寝る前の時間、もしくは朝目覚めた後にハッチを開けて、車の後ろに腰掛けた状態で過ごす時間がとても好きでした。その日の移動を終えた後、コンビニで買った氷をチタンマグに入れ、ウィスキーとソーダを注ぎ、マイペースにお酒を嗜んで。朝はお香を焚いてゆったりと、風を浴びつつ景色を眺めながら、その日の予定を確認したり、朝ごはんを食べたり。
車中泊の場所は、走行距離で何となく決めていました。目安の移動距離は150〜200km / 日。竹原-盛岡間を5〜8泊で移動する計算です。その周辺で、温泉や銭湯があれば、そこを目指して走りました。もしくは道の駅などの、車中泊に適した場所を探して。季節柄、朝の5時過ぎた頃から車内が暑くなるのもあって、朝は6時台には走り出し、夜は21時頃には横になれるように逆算して移動しました。
夏場での試みだったので、サーキュレーターで風を浴び、空気を動かしながら眠りました。806Wh のポータブル電源を借りて、走りながら充電して。スマホやパソコンの充電とサーキュレーターの使用で、一晩で容量の25%から50%の消費でした。翌日、また走りながら充電して。確か、25%の充電で2時間ちょっとだったと思います。
食事の面でいえば、今回の試みの中ではスーパーで食べ物を調達することが多かったです。時折、予算的な理由もあって。タイミングが合えば、ローカルな食堂でも食事をしました。それと、スタバやマクドナルドで休憩がてらパソコン作業をしたり、サッカー観戦をしたり。あと、これまでの旅の体験や集めていた情報を活用しながら、行ってみたいお店や場所に訪れてみたり。
車での移動はそんな、小回りが効く感覚がとてもいい印象がありました。自分が運転しなければ前に進めない、という観点もありますが。そのおかげで余計に、これまでの電車やバス、飛行機やフェリーなど、自分が眠っていたとしても目的地に辿り着けたことへの感謝の気持ちが、より強く湧いてきました。それに、食堂にしてもスーパーにしても、銭湯やコインランドリーにしても、とても有難いです。
今回はとにかく下道を走り続けたわけですが、道路沿いに続く人の暮らしがとても愛おしく感じて。家やお店、田んぼや畑。人の数だけ、車の数だけ、そこに暮らしが存在していることを実感します。それに、海や林、時間によって変わる空の色など、自然にも心を温めてもらいました。独り占めしたい、けれどもこの美しさを誰かと共有したい。そんな機会に何度も出くわすことになりました。
– バンライフに向けて –
最後に、実現に向けて準備する物やコトを記しておきます。まず車について。地元マツダの、ボンゴバンかブローニイバンを想定しています。今回の試みで使ったアウトバックはとても快適だったのですが、停車して過ごしている時間のことを考えると、車の後ろの空間に座れる高さが必要です。食事をしたり、ぼーっとしたり、パソコンで作業をしたりと、旅する暮らしのノマドな部分を行える空間です。
その空間に木で床と天井を作り、エアマットと寝袋で眠るスタイルでいいかなと、今のところは考えています。ソファベットを作っている写真を見ると、それもいいなぁと思うのですが、畳好きの僕は床で暮らす方が合っている気がして。今のところは、ですが。その空間で最低限、珈琲やお茶を淹れられるようにして、床下や壁面などに可能な限りの収納を、けれどもすっきりと設けるのが今のイメージです。
床下から引き出す形で収納を設けて、一部の床上に収納やパソコンや書き物をするためのテーブルを作って。まだ図面を起こしてはいないのですが、頭の中でのイメージは固まってきています。元々バックパックに入れていた荷物に加えて、大工道具なども入れられるといいなと。どれ程の容量になるのかはわかりませんが、床下全部を使えば、結構な量になるのではないかなと思っています。
その空間に、パソコンや携帯、照明を充電するためのポータブル電源が必要です。試みで使ったのと同等か、もう少し大きくした 1,000Wh ほどの電源があれば充分なのでは、と考えています。できれば、ソーラーパネルもセットで。その電源を活用して、天井にも照明を埋め込んで使えたらと。夜は、天井の照明とランタンを使ってゆったり過ごして、早めに眠る。そんな生活が望ましいです。
それと、移動中に立ち寄る食堂やお風呂などの情報も必要だと実感しています。これは、バックパックでの旅の中でも思ってきました。実際に移動を繰り返す中で蓄積していけばいいのですが。僕の食事の基本は、分づき米か玄米と具沢山の味噌汁です。それが可能な食堂には、意外に出逢えなくて。簡単に自炊しつつも、そのまちで長らく続く食堂や、気の合う店主の店などで食事を行えたら嬉しいです。
最近では、命がたくさん含まれている食事を可能な限りとりたい、と思うようになりました。この世界からきちんと生命を紡がれた食べ物を。そして可能な限り、その時に自分がいる場所の大地と水で育った食べ物を身体に入れたいと考えています。そんな食事を基本にできるよう、情報を集めていきます。それと、改めてご縁を広げていきながら。タイミングを信頼しつつ、適度に能動的に動きながら。
そして、そんな食べ物や、車が走り続けるための燃料、風呂や洗濯などを使うためのお金がいつも確保できるよう、僕自身もお金を巡らせていくことですね。僕にとっての、スキナトキニ、スキナコトヲ、スキナトコロデの言葉の、原点でもある経済的な豊かさです。その当初とは考え方も価値観も変わりはしましたが。この先も変わらず、自分の活動が経世済民に関わることであることを心から望んでいます。
下記のバナーのリンク先に、バンライフに向けて必要なものをまとめてあります。よかったら提供、もしくは交換してもらえると、とてもありがたいです。
おわり
” 「 いま、ここにあるもの 」では、小林豊の独り言をつらつらと書き記しています。この投稿をする1番の理由は自分自身が思い出す為なのですが、それが巡り巡ってたまたま、この独り言を必要としていた人の元に届くのも嬉しいなとも思います。そんな小さな奇跡を信頼しつつ、自分の内側にある想いを言葉にしています。”
よかったら、こちらの投稿もどうぞ。
◻︎ 応援してもらえると嬉しいこと。| お知らせ【 11/21(木) 】
◻︎ 暮らしている場所の予定、などを更新しました。| お知らせ【 11/18(月) 】
◻︎ 2024-2025 応援・支援募集のお知らせ。| お知らせ【 8/23(金) 】
[ ここ1ヶ月の人気の投稿 TOP5 ]
No.1 – ユパさま、というメンター。| 旅が教えてくれたこと #009
No.2 – つまり推し活のような、そんな試みのふり返り。| いま、ここにあるもの #146
No.3 – 風をつかむ。| 旅の途中の #017
No.4 – その日が来るまで、もう少しだけ。| 旅の途中の #016
No.5 – ひと回りしたから見える、鏡に映った自分の姿。| いま、ここにあるもの #145
これまでもこれからも
心がおどる、たのしい日々を。
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございます。
– 自分らしく、しあわせに生きること –
COBAKEN LIFESTYELE LABO
1977年、広島生まれ。ファシリテーター。広島県竹原市と岩手県盛岡市の二拠点生活+旅。スキナコトヲ スキナトキニ スキナトコロデ、とういう生き方。ファシリテーターとして促すのは、目の前の相手の人生。
詳しいプロフィール ⇒ cobaken.net/profile