不便さの中にある大切なこと。| くらしのたね #053



Ver.1.0.0



– くらしを促す、ことばのたね。-



2024/07/23 HAMAMATSU / SHIZUOKA / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi





– 不便さの中にある大切なこと –


 僕が十歳に満たなかった四十年前と比べても、今はとても便利な物が増え、便利なサービスも生まれ、暮らしが楽になった部分がたくさんあると実感しています。僕の旅する暮らしも、スマホ時代だったからこそできたもので、その前の時代に始めているとまた、違ったものになっていたのだと思います。いや、厳密には違いますね。その時代だと始めることができていなかったのかもしれません。


そんなありがたく、便利な世の中を生きている中で、その対極にある不便さの中に、大切なことが隠されている、と思うことが増えました。事の本質と言いますか。不便さの中では、僕らの暮らしの、僕らの人生の基本となる要素に触れやすいように思えるのです。それなので、それをきちんと味わったうえで、今の便利さを程良く活かすのがよいのではないかと、最近は思っています。


そう思うようになったきっかけは、大工の修行時代をふり返ったことです。自分が現場に入った頃、今ほど機械の選択肢はありませんでしたが、機械を使って家を造ることが基本でした。教えてくれた父の修行時代は、まだまだ大工の七つ道具を使う機会が多かった時代です。建築の世界にも便利な道具が増え、作業が楽になりました。けれどもその分、家を造ることの基となる部分に違いを感じてしまうのです。


家事にしても移動にしても、仕事にしても遊びにしても、便利な道具やサービスがたくさん生まれました。スマホが普及しはしめた十数年前頃から特に、加速度的に便利さを増しているように思えます。そうやって便利なものが増え、暮らしが楽になるのはとてもありがたいことです。その分、基本に立ち戻るためには本人の意思が必要になりました。多くの場合、そもそもの部分に事の本質は眠っているようです。


この先、便利さと不便さのコントラストが強くなればなるほど、事の本質には更に触れにくくなるのでしょう。けれどもきっと、普段の暮らしに大きな問題はありません。それなので、不便さを選び、面白がりつつ体験するかどうかは自分次第。積み重ねれば尚更、見えるてくるものがあるはずです。実際、便利さとの対比で不便に感じるだけで、暮らしの基本を大切にした日々はとても素敵なものだと思いますし。




[ くらしのたね #053 ]

不便さをあえて選び、味わってみる。




質問や感想、投稿テーマの要望などがあれば、こちらからお願いします。

対話のある暮らしを促すための資料一覧






おわり




” この「 くらしのタネ 」は、あなたの人生を彩り、暮らしをより良くする花や実、そして種となるようにと、勝手に祈りを込めて投稿しています。どんな芽が出てどんな花が咲くのか、そしてどんな実をなすのかは、種を育てるあなた次第になりますが。そんな「 くらしのたね 」が、あなたの暮らしに彩りを加えますように。”






この投稿を読んだ人は、こちらの投稿も読んでみてください。
 

実際に体験することの大切さ。| くらしのたね #039




    




[ お知らせ ]

◻︎ 暮らしている場所の予定、などを更新しました。| お知らせ【 2/3(月) 】
◻︎ 応援してもらえると嬉しいこと。| お知らせ【 1/30(木) 】
◻︎ 2024-2025 応援・支援募集のお知らせ。| お知らせ【 8/23(金) 】


[ ここ1ヶ月の人気の投稿 TOP5 ]

No.1 – 春を迎える前の。| 旅の途中の #022
No.2 – ユパさま、というメンター。| 旅が教えてくれたこと #009
No.3 – 不便さの中にある大切なこと。| くらしのたね #053
No.4 – 土に還る家。| いま、ここにあるもの #148
No.5 – 人は考える葦である。| 旅の途中の #023






スキナトキニ
スキナコトヲ
スキナトコロデ

これまでもこれからも
心がおどる、たのしい日々を。




最後まで読んでいただき、どうもありがとうございます。



BLOG TOPへ

– 自分らしく、しあわせに生きること –
COBAKEN LIFESTYELE LABO

TOPページへ