それが何よりのこと。| いつか歩いた道 #007



最終更新 2022/08/30
Ver.1.0.1



– 切り取られた景色。何でもない日常。-




ポカポカとした10月始めの午後。稲刈りを終えた田んぼの間をのんびり歩いた。僕の地元である広島県竹原市では見かけたことのない、この藁の干し方。テレビや写真では見たことがある。まるで蓑を羽織ったようなその姿。そして、刈り取られた田んぼの横では、蕎麦らしきものが育てられていた。

2015/10/03 OSAKI / MIYAGI / JAPAN Photo by COBAKEN



ここは、宮城県大崎市。鳴子温泉郷のひとつである川渡温泉。僕は湯治の宿に泊まり、2泊の湯治を愉しんでいた。” 東五郎の湯 高東旅館 “という名前の、このエリアでも今では珍しい、自炊の宿のひとつ。この宿のことを人から教えてもらい、思たってやってきた。そんな旅の二日目の午後。

この宿には、自炊の部屋と食事付きの宿泊ができる部屋と、二種類の宿泊方法がある。昨日の午後、仙台駅前からバスに揺られ、そしてバス停から歩くこと5分強。宿に到着して自炊棟の玄関を入ると、左右に長く廊下が続き、部屋に入るドアが均等な間隔で並んでいた。

右手には2階に上がる階段があり、左手には靴がたくさん入る下駄箱がある。玄関を上がって案内された部屋は、共同の台所の真ん前だった。8畳と縁側的な板間のある部屋と、共同の台所に共同のトイレ、それと掛け流しの温泉が使える宿。リニューアルしたらしく、とてもキレイで。

バックパックを部屋の隅に置いていると、宿主さんが部屋の説明をしながら奥側にある掃き出し窓のカーテンを開けた。掃き出し窓の右手側には洗面台があり、左手には壁に据え付けられた食器棚があり。食器棚にはいろんな器が置いてあり、部屋から台所に持っていって使う。

そんな初めての体験をひと晩経て、少し慣れてのんびりしたあと、僕はカメラと文庫本をお供に散歩に出かけた。




宿を出て左側、西に向かって細めの歩道を歩いていく。道路向かいには小学校があり、大きな校庭が見える。道路沿いには一軒家が並んでいて、何となくだけれど、このあたりの生活を感じさせてもらった。その先にある橋を越えると急に建物が無くなっていく。数少ない建物の中の一つ、2階建てのアパートの横の道を抜けて、少し南にある山側の方へと歩く方向を変えてみた。

アパートの前の駐車場に向かう、舗装されていない道を歩いていくと、まだ刈り取られていない頭を垂れた金色の稲穂の向こうに、アスファルトの道路が見える。駐車場を通り抜けてそこに出ることも出来たのだけれど、田んぼの畦道を通らせてもらうことにした。


風の谷のナウシカに出てくるような、そんな金色の野を歩く。ちょうどこの頃に読んでいた小説で、秋のことを「 とき 」と読んでいた。収穫の時期であり、タイミング。今ふり返ると、この金色の野を歩いている頃に僕は、必要とする全てに出逢っていたのかもしれない。でも僕は当時、そんなことにも気づかず、ただただのんびり、初めての湯治の時間を過ごしていた。

その畦道を通り抜けると、写真の道に出てくる。ほのぼのとしたとても心地のいい、散歩の時間を過ごした。こういった五行を感じやすい場所はとても身体が癒される。アスファルトやビルで覆われた都会だと感じにくい、地球そのもののエネルギーを感じる。実際、ほんとにそれを感じているのかどうかはわからないけれど、僕にとって心地いいという感覚が、何よりだと思う。




こうして僕たちのまわりには、目に見えないエネルギーや想いがたくさん巡っているのだと思う。何の根拠もないけれどそれは、旅する暮らしの中で体感してきたことの一つ。そのエネルギーや想いに目を向けること。実はそれが、僕らが自分の人生を生きていくために必要なことではないのだろうか。

目に見えるものも大切だし、目に見えないものも大切だと思う。どちらかではなく、どちらも必要なこと。そんなバランスを必要とする時代にもう、突入しているみたい。思考と感覚、前向きな自分と後ろ向きな自分など、自分の中にある矛盾を抱えながらバランスを保ち、真ん中の自分でいられる環境、そんな環境を創りたい。

だから僕は、村をつくる、と言いはじめたのかもしれない。

対話のある暮らしを実践している、村のような関係性を築いて、実際に生活をはじめたい。対話を重ねながら自分たちで自立し、共に生きていく関係性。生きるために食べること、丁寧にそれを繰り返す関係性。




僕はこの道を歩いたことできっと、また僕の人生の道を自分の中に見出すことができたのだと思う。そんな機会がありがたい。こうやって未来が僕を導いてくれている、そんな風に思う。だから安心して今を大切に生きること、そうすれば自然と未来につながっていくみたい。


この地に来れたご縁に心から感謝。




おわり




” この「 いつか歩いた道 」では、僕が旅先で切り取った1枚の写真と、それにまつわるエピソードを綴っています。何でもない日常での思い出で、抑揚のある展開はありませんが、だからこそ得られる別の何かがあるのだと思っています。そんな何でもない物語が、あなたの内側にある何かを、ほんの少しでも温めることができたら嬉しいです。”




    


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心がおどる、たのしい日々を。




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