– 旅先からの、友への便り。-
– 春を再び –
穀雨 二〇二五年四月廿日〜五月四日
変わらず元気にしていますか?僕は五日ほど前に盛岡の家に戻ってきました。結局寄り道はせず、夕方の神戸空港から仙台空港に向けてのフライトを目指して昼前に別府を出発し、仙台からも新幹線で一気に盛岡に戻りました。GWの移動が始まる直前でもありましたし、盛岡の家に戻る目安としている、盛岡を旅立ってから二ヶ月を迎える頃でもありましたし。寄り道は、次の機会にとっておきます。
広島や大分で、初夏のような気候を味わっていたので、盛岡はとても寒く感じます。まるで季節が少し戻ったかのような、不思議な感覚で。桜も咲いているし、春を再び味わえています。そして昨日は早速、花見に誘ってもらいました。妻と三男と友人宅にお邪魔して、とても佳き時間を過ごさせてもらいました。別府でも何度も花見をしたのに、岩手に戻ってからもまた春の色合いを眺められるなんて。
今日は妻の出店の付き添って、岩手町にある石神の丘に来ています。盛岡よりも北側にあるこの町は、今がちょうど桜が満開のようで、春の色合いを眺めながらここまで運転してきました。天気もいいし、ビールでも呑みながら日向ぼっこできると最高なのでしょうけれど、お酒は昨日しっかり頂いたので、しばらくは休肝の日々とすることにします。最近はね、盛岡に居る時はあまりお酒を呑まないのですよ。
*
前回の便りの後、別府での日々は相変わらず、あっという間に過ぎていきました。結局、今回は25日間の滞在となりました。その中で二泊ほど、博多に泊まる日もありましたが。これまでの最長は14日程なので、別府滞在においての未知の世界を体験することとなりました。睡眠と着替え以外はほぼ、滞在先のシェアハウスに居ることもなく、とても濃い時間を過ごしていたのだなと、ふり返ると思えます。
写真の整理や公式ページの投稿など、自分の作業が見事に滞ってしまったことは相変わらずの課題ですが、今回も朝晩、多い時は日中や夕方にも温泉に浸からせてもらい、それに加えて毎朝瞑想を行って心身を整えられたのがよかったです。自分にとってすべての基本となる対話を心地よく行うためにも、自分を整えることは最重要事項なので。段々と身体の疲れは蓄積されましたが、よき状態ではありました。
大好きなおでん屋さんに連れて行ってもらったり、竹撮りの翁たちと湯布院での写真展に行ったり、噂の最近入り浸っているカフェにお邪魔したり。女将たちとバンドネオンの演奏を聴きに行ったり、小学校から同級生の女子会に混ぜてもらったり。友人とホルモンを食いながら語ったり、友人のカフェでエスプレッソを飲んだり。友人たちと新しく出来た酒場食堂に行ったり、友人の誕生日イベントに参加したり。
*
今回の別府では、いつもの紺シャツかTシャツの上に、いただいた羽織を羽織って出かける機会が何度もありました。普段に和装を取り入れようと思っていた自分の、新たな一歩として。そんな姿でも、別府でのいつもの界隈で過ごしていると、ごくごく普通なのですが、同じく別府でもその界隈を出ると急激に、そんな姿が希少になることを実感した時がありまして。とても面白いなと思いました。
この先もこんな格好で出歩くのなら、体験するであろう状況をすぐに味わえたのだと思います。他人のことなんてどうでもいい人も多いけれど、すごく気にしている人も多いですもんね。そんな中で、周りとは違う服装で歩く、ということが早速体験できてよかったと思います。きっとこれで安心して、羽織を羽織って出歩けるのだなと。ただ、バンライフに入ってからの方が、羽織のためにもよさそうです。
そんな別府での最後の夜は、いつものカフェで話しながらビールを呑み、シェアハウスに出来たチルスペースで、シェアメイトと夜景を眺めながらビールを呑み、のんびり温泉に浸かって、穏やかに終わりを迎えました。その前夜には、博多に引っ越しの手伝いに行ったことで、友人の立ち食い焼肉屋にも寄れましたし。年々、多くを望まなくなはっていますが、やりたいこと、行きたいところはたくさんあります。
*
別府を出発する時は割とバタバタと、駅に向かうことになりました。だいぶ早めに起きたのに。でも、盛岡に送る荷物をシェアメイトに託したことで、少し余裕を持ってソニックに乗り込めました。まずは小倉までの時間、窓の外の景色をぼーっと眺めつつ、別府での出来事をふり返ると、色んな出来事が頭の中を流れていきます。それらがまた、僕のこの先の人生の種となり、彩りや実りを与えてくれるのです。
僕にとって、移動の時間もまた、とても重要なものです。この時間があるからこそ、より自分が整うのだと考えています。出来事をふり返りつつ手放し、人や土地の想いやエネルギーもまた手放して、本来の自分に戻っていく時間といいますか。今回は飛行機も使ったので、より客観的な視点で世界を眺めることができました。空から眺めれば、人が持つ悩みなんて、とても小さなものだと思い出せます。
けれども、一個人においてのそれは、とても重要なもです。日々の主題となってしまうことも。そんな主観と客観との行き来が、僕にとっての移動の時間です。誰かと話すわけではなく、窓の外に流れる景色を眺めながら、自分との対話を繰り返す、自分に戻る時間です。それがあるからこそ自分は、二拠点生活という暮らし方を選んでいる部分もあります。僕はまだそんなに、自分を律することができていないので。
*
このあと、しばらくは盛岡で過ごします。GWなど、多くの人が移動する時にはじっとしておくのが基本のスタンスでもありますし。今回の滞在では、前回の滞在中にやらなかった、自分のやりたいことたちを実行できればいいなと。その前に、しばらくは心身を休める期間が続きますが。近年は、旅先で人に接しながら過ごした後に家に戻り、疲れが取れたと実感できるまでには二週間くらいかかるので。
それに、二ヶ月も出かけていたので、家を整えることも一緒にやりつつですね。今は春の排毒の季節だからか、今年も三男の肌の様子が良くなくて。寝ている最中に掻きむしり、毎朝血だらけになって目覚めます。そんな状態なので、ひとまず学校は休みつつ、療養優先で過ごすとして。そうこうしていると、すぐにGWに突入ですね。世の中にはもう、GWに入った人も多くいるのでしょうし。
我が家のGWは、盛岡でのんびり過ごすことになりそうです。妻は喫茶店への出勤が続きますし。どちらにしても、人が多い時にどこかに出かける気はありませんが。とはいえ少しは、三男と二人で出かけることになるのでしょう。あと、少しずつでも、作業を進められるといいな。でもでも、まずは整えることが優先でした。今はこんな感じで、去年の八月末以来の移動と旅を終えたところです。
二〇二五年四月二十七日

2025/04/11 BEPPU / OITA / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi

2025/04/15 BEPPU / OITA / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi

2025/04/23 KOBE / HYOGO / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi
おわり
” 「 旅の途中の 」では、旅先から届ける友人への便り、として言葉を綴っています。二十四節気の暦に沿ってお届けできたらと。そんな便りの中で僕の、日々の些細な出来事を通じた気づきを貴方に共有させてください。それが結果的に、互いが生きる日々にとって、より佳きものになれば幸いです。”
よかったら、こちらの投稿もどうぞ。
◻︎ 応援してもらえると嬉しいこと。| お知らせ【 4/24(木) 】
◻︎ 暮らしている場所の予定、などを更新しました。| お知らせ【 4/21(月) 】
◻︎ 2024-2025 応援・支援募集のお知らせ。| お知らせ【 8/23(金) 】
[ ここ1ヶ月の人気の投稿 TOP5 ]
No.1 – 夫婦とは、どうあるべきなのか。| いま、ここにあるもの #104
No.2 – JRの乗車券の有効期間の話。| いま、ここにあるもの #098
No.3 – ご縁が続くかぎり。| 旅の途中の #028
No.4 – そこにある物語を、素直に切り取る。| いま、ここにあるもの #149
No.5 – まるで温泉に浸かっているかのような。| 旅の途中の #029
これまでもこれからも
心がおどる、たのしい日々を。
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございます。
– 自分らしく、しあわせに生きること –
COBAKEN LIFESTYELE LABO

1977年、広島生まれ。ファシリテーター。広島県竹原市と岩手県盛岡市の二拠点生活+旅。スキナコトヲ スキナトキニ スキナトコロデ、とういう生き方。ファシリテーターとして促すのは、目の前の相手の人生。
詳しいプロフィール ⇒ cobaken.net/profile