– 旅先からの、友への便り。-
– 春を迎える前の –
冬至 二〇二四年十二月二十一日〜二〇二五年一月四日
二〇二四年の年末は、見事な程に年末という感覚がなく、二〇二五年の三が日は、過去にない程の寝正月となりました。近年では、睡眠時間は7時間半以上、計9時間は横になることを目標としているのですが、それ以上に眠ることができまして。ただ、ぶっ通しで眠る体力はないらしく、何度か目覚めてまた眠るを繰り返すのです。それにしても、たくさん眠ることができて嬉しいです。
月の満ち欠けを意識するようになってから年々、自分の感覚と太陽暦の暦とのズレを感じています。朔日詣りをするようになり、新月の日を月の始まりとする感が強くなっているのです。それと、二十四節気を意識するようになり、自分にとっては立春が一年の始まりだと思うようになりました。それなので、太陽暦の年越しは、新しい年を迎えるための序章な感じです。
それでも年末には適度に掃除をして、盛岡の家の中を整えました。そういえば、大晦日に雨が降っている時間帯がありましたね。この時期に雪ではなく雨が降るなんて、不思議な感じです。久しぶりに日本酒も買い、ささやかに元旦に向けての準備をして。あと、新年早々水汲みに行った時、水の温かさにホッとしました。土の中はまだ、温もりが保たれているのですね。今回はそんな感じの、年越しでした。
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この時期、僕が気になってしまうのは、サンフレッチェ広島の選手たちの契約更新です。Jリーグの終盤頃から引退や契約満了の話が出て、そして終了後から新年の新体制発表に向けて、更新や新加入、そして移籍の話が出てきます。そんな中、推しの選手の移籍の噂が出て、公式でも移籍が発表されました。本人が心から望む場所で心から望むプレーをしてもらうこと、それが一番だと今回は思えたのです。
実際、地元のクラブでプレーするのが夢だったと、公式のコメントに書いてありました。昨季の大活躍があったので、来季はどんな風に活躍するのか愉しみではあったのですが。実は、2023シーズンの中盤にも、別の推しの選手の移籍がありまして。その時はしばらく引きずり、推しの選手の移籍に関して自分としっかり向かい合うことができたから、今回は素直にそう思えたのかもしれません。
ちなみにそれは選手だけでなく、これまで出逢ったすべての人たちに対しても思えます。すべての人に、本人が心から望む場所で心から望む日々を過ごして欲しいです。僕のことを馬鹿にしたりや否定してきた人も同じく。みんなが僕の鏡であってくれたので、今こうしてここに存在することができているので。この想いは秋分頃から再確認した学びであり、この十二年の収穫のひとつなのだと思っています。
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この十二年で他に収穫したのは、タイミングを信頼すること、です。この三年は、特に意識して過ごしてきました。起きるべき時に出来事は起き、出逢うべき時に人は出逢う。しかもそれは、一瞬早からず、一瞬遅からずで。ご縁という目には見えない何かに背中を押してもらったり、引き留めてもらいながら、絶妙なタイミングで僕らは生きているのだな、と実感しています。
ただ先日、無意識に我慢する癖、という言葉にハッとした自分がいました。その癖はやめた方がいい。心にも体にもよくないから、とも。抑圧している自分がいるのかも、思ったのです。根拠はありませんが、きっとそうなのだと思えました。我慢は我慢を生むし、我慢や頑張りではうまくいかない時代であることは実感しているので余計に、そんな癖は手放した方がよさそうです。
そうだとしたら、タイミングを信頼することと、この癖を手放すことの塩梅が、僕としては簡単ではありません。それでも、自分の蓋を外せればより、タイミングを信頼できることになるのでしょう。そうなれば、長年の課題である ” 人に頼ること ” もやりやすくなるのかも。人生を重ねることで収穫したものはこうして、またこの先の人生の種として、僕に問いを与えてくれるのですね。
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その土地で得たもので成り立つ暮らしを目指す。前回の便りで触れたことを集約してくれている言葉にも、出逢うことができました。一年前に買っていた雑誌からなのです。これもきっと、最適なタイミングで目の前に現れてくれたのでしょう。その当時の自分だと、気にはなるけれど、というところでしょうか。色々、モヤモヤと考え続けてきた結果、必要な言葉として出逢えたのだと思えます。
ちなみに、県産や国産が良くて他が悪いとかではありません。自分が生きているその場所で育ち、生まれたものを使って、自分の生活を成り立たせたい、という想いです。可能な限り、その場所のエネルギーや波動で生まれた物で生活をつくり、循環させている割合を高めていきたいです。例えば、竹原で過ごしている時は広島の水や食べ物を口にし、盛岡で過ごしている時は岩手の水や食べ物を口にして。
考えてみれば、昔は当たり前だったことですね。わざわざ意識する必要もなく。流通が有難いほどに発達して、色んな地域の物を手にできる時代になったからこそ、改めてそんな想いを抱けたのだと思います。そんな対比はいつも、僕らに必要な認識を与えてくれて有難いです。この先も益々、大きく広がり続けるであろう幅の中に身を置いて、事の本質に目を向けられる自分で在れたらいいな。
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小雪、大雪を終えるともう、その次は立春を迎えます。僕にとっては、次の十二年のサイクルの、種蒔きの時期に入る日です。今年の春を迎える旅は、いつもとは違った感覚のものになるのかもしれません。ダイキと旅を始めた頃のような。この十二年の、収穫の時期のふり返りは立春後に行うとして、そろそろ助走を始めてもよいのだと思うようになりました。もしかしたらそれは焦りなのかもしれませんが。
妻や子に、家族や友人に贈りたいと思うものがいくつもあります。友人宅に、酒を抱えて泊まりに行きたいですし。それに、スキナトキニ、スキナコトヲ、スキナトコロデ、な自分で在り続けたいです。盛岡の家でゆっくり過ごせていることは、とても幸せなことなのです。その反面、旅立ちのタイミングを得られない自分が存在していることも確かで。それこそ今は、それを味わうタイミングということですか。
何にせよ、受動的であることを意識する期間は、もう少しで終わります。タイミングを信頼する、ということをせっかく深めたので、その塩梅はよきところで保ちつつ。どんな未来が待ってくれているのか全くわかりませんが、出来事を面白がれる自分にもなれたはずなので。いやぁ、もうすぐ、暦の上では春を迎えるのですね。そんなタイミングで再会できた時はぜひ、乾杯でもしてください。
おわり
” 「 旅の途中の 」では、旅先から届ける友人への便り、として言葉を綴っています。二十四節気の暦に沿ってお届けできたらと。僕の、旅する暮らしの中で起きる些細な出来事を通じて、ほっとひと息ついてもらえたら幸いです。”
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これまでもこれからも
心がおどる、たのしい日々を。
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございます。
– 自分らしく、しあわせに生きること –
COBAKEN LIFESTYELE LABO
1977年、広島生まれ。ファシリテーター。広島県竹原市と岩手県盛岡市の二拠点生活+旅。スキナコトヲ スキナトキニ スキナトコロデ、とういう生き方。ファシリテーターとして促すのは、目の前の相手の人生。
詳しいプロフィール ⇒ cobaken.net/profile