この世に生まれたことへの感謝。| 旅の途中の #014



Ver.1.0.0



– 旅先からの、友への便り。-






– この世に生まれたことへの感謝。 –


処暑 二〇二四年八月二十二日〜九月六日




 八月二十三日は、四十七歳の誕生日でした。今回の誕生日は大阪で迎え、妻と三男とのテレビ電話ので祝いの言葉と、母からメッセージを受け取ったのみの、とても静かな誕生日の迎え方でした。そんな穏やかな誕生日もいいなぁ、としみじみと思えまして。ちょうど前日、娘ほどに歳の離れた友人と呑みに行ったことで、その友人とそこの店主から祝いの言葉をもらうこともできました。

SNSをするようになってから、誕生日の度に多くの人から祝いの言葉をもらい、それに返信していくという誕生日を数年味わいました。夏休みが終わる頃、学校で友達から祝われる機会なく誕生日を迎えてきた自分としては、とても嬉しくて。ただ、最初の数年は、ですが。それが何年か続き、関わり合いのない人から送られてくるメッセージに返信するのが嫌で。そんな体験を経て、誕生日の公開をやめました。

そこからは、家族や友人からの祝いの言葉でささやかに、この世に生まれたことを感謝する日として、誕生日は意味合いを変えました。そういえば12年前、一緒に旅をしていたダイキが友人からのメッセージをまとめてくれたことがあって。BGMに使ってくれていた僕のテーマソングのように、哀しみの海の底に沈んでしまった友達をどんなに深くでも見つけにいける、この先もそんな自分であり続けたいです。


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 今年になってからは、何だかんだで毎月大阪に滞在しています。一回の滞在は、二週間弱くらい。大阪での日々にはだいぶ慣れ、必要な作業を淡々と、自分のペースで行えるようにはなってきました。空いた時間に、公式ページなどの更新や写真の整理など、自分の作業を進めることができればいいのですが、その時間はまだ、心身を休め、整えることに使うことが多く、望む通りに活用できてはいません。

いつも最後に風呂に入り、そこからすべての用事が終えた頃には、日が変わっていることが多いです。それに、今回は特に身体の強張りが強く、中々眠りにつけなくて。家では、早ければ九時台には横になっている生活が、今の僕の基本の生活です。車中泊の時も。眠い時に眠りに向かうことが出来ない生活は、身体の調子も狂わせていくものですね。睡眠って本当に大事なのだなぁ、って改めて実感しています。

目の前の人の人生を促すことは僕にとって、ファシリテーターとしての、僕の人生においての、重要な役割です。それでも、パワフルな二人を同時に促すというのは初めての試みで。やっと勘所が見えてきたような気がしています。ここからどう、更なる好循環に持っていくのか。創造的な自分の作業をする時間を、優先して確保できていないこと。それは、長年抱えている、僕にとっての重要な課題なのです。


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 目の前の相手とシンクロしてしまうという、僕の強みであり弱みであるこの要素は、内面的な疲れに大きく影響するようです。シンクロした上で、真ん中の自分であることを保ち、いい波を出し続けることは、想像以上に疲れてしまいます。例えるならば、強く負荷をかけながら筋トレをしている、そんな感じでしょうか。その人のエネルギーが大きければ大きい程、その分影響を受けてしまうようで。

例えば、そんな日々を二週間過ごしてから家に戻ると、内面を回復するのに少なくとも一週間はかかります。三週間過ごした後には、二週間かかりました。その間もほぼ、自分の作業は手をつけることが出来ないので、更に自分のことは置き去りにすることになって。そんな状態では、暮らしのことを行うのが精一杯です。どちらにしても、内面が回復できるまで、創造的な作業は手が進みませんが。

これがもし、二〇二六年まで続くのであれば、考える必要があることがいくつかあります。今は毎月だけれど、本当に自分が居る必要があるのか。そして、ここでお礼を貰えなくても生活がまわる自分であること。何より、自分がやりたいことを蔑ろにしている状態が続けば確実に、大きくブレーキが踏まれることになるのだと思うのです。そう思い始めて数ヶ月、まだ先方に話せていない自分がいます。


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 話は変わりますが、この前の大阪から盛岡への移動で、下道車旅の試みを終えました。三ヶ月間の、10,490 km の試みとなりました。最後の移動では、新潟まで高速を走り、新潟からは下道で。個人的な感想としては、高速を走るのは味気ないです。当たり前ですが、人の営みを眺める機会が少ないので。必要な施設が備えられていることはとても有難いのですが、日常感が低いといいますか。

この先でバンライフを始めた後に、時間を買って高速で移動する必要が出てくる可能性は充分にあると思います。その時には大きく感謝しながら走り抜けるのだと思います。ただ、今の自分の目的に沿ったものではありませんでした。以前の、旅を始める前の自分には無かった感覚なので、改めてこうして体験できたことは、今後に大きく活きてくるのだと思います。

僕にとって移動は、関わり合いを通じて受け取ってしまった何かを手放す手段の一つでもあります。車中泊での移動の後、家に戻ってからの心の状態に明確な違いがあったので。これは、とても大きな発見です。人と関わる中でどうあっても、シンクロしてしまう自分がいます。どうせ受け取るのであれば、相手に少しでも楽になってもらえたらいいのですが。楽になれば促される、そういうものだと思うのです。


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 いつの間にか、来年は四度目の年男を迎える年齢になりました。年を重ねるほどに、自分は何も知らないのだなぁ、と思う機会が増えました。もちろん、0ではありません。でも、自分が知っていることなんて、この世界のほんの僅かとも言えない程のもので。卑屈でもなく、自責でもなく、穏やかにそう思います。それでも、こんなことも知らんのか、って馬鹿にされると腹を立ててしまうかもしれませんが。

今月には、旅する暮らしも丸十二年を迎えます。あの旅立ちの日から、ひと回りするのです。お陰さまでこうして、家族と共に、身内同然の友人たちと共に、無事に生きることができています。とても有難いことです。自分の中には感謝の気持ちがいっぱいで。けれども、きっと僕は、その気持ちをうまく表に出せていないのだと思います。表現方法がよくないのか、上手く伝わった記憶がありません。

本当にそうだとしても、そんな自分もそのまんま受け容れつつ、この度の周年に絡めて何か、この感謝の気持ちを伝えることができればいいな、と思っています。願わくば、これまでに出逢った全ての人に。応援も否定も、そのすべてがあってこその今なので。本当に有難いことです。そんな欲張りで素朴な想いを尊重しつつ、改めて今の自分にできることを行っていくことにします。




2024/08/23 OSAKA / OSAKA / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi




2024/09/01 MURAKAMI / NIIGATA / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi




2024/09/01 HANAMAKI / IWATE / JAPAN
Photo by Yutaka Kobayashi






おわり




” 「 旅の途中の 」では、旅先から届ける友人への手紙、として言葉を綴っています。二十四節気の暦に沿ってお届けできたらと。僕の、旅する暮らしの中で起きる些細な出来事を通じて、ほっとひと息ついてもらえたら幸いです。”




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