– 恩恵 –
うちの家はよく親戚が集まる家だった。特に母の従兄弟たち十名ほどで盆や正月以外でも集まる機会があり、その配偶者も子供も一緒に、いつも賑やかに集まっていた。加えて、親戚が多い分他界する親戚も続き、葬式や一周忌、三回忌に七回忌などが重なり、親戚同士でよく顔を合わせていた。おかげで葬式や法事慣れをし、同じ仏教でも違いがあることを知れた。そうやって、親戚が集うことが当たり前だと思って生きてきたのだが、同級生の話を聴いていると当たり前ではないのかも、と思うようになってゆく。確かあれは二十歳頃、同級生の祖母の通夜に参列した時に、一緒に参列した同級生から通夜も葬式も初めてだと聞かされて驚いた。自分としては生まれた頃から、写真が残っているだけで記憶はないが、葬式に参列し続けてきたのだから、そんなことがあるなんて思いもしなかった。実際、当たり前なんて簡単に覆るし、そもそも当たり前など存在しないということがわかり始めるのは、まだまだ先の話。いま思えば、親戚が集う機会が続いてきたことで、ものすごい恩恵を受けてきたのだなと思う。それは、親以外の大人たちがきちんと自分を受け止めてくれる、という体験を重ねてきたこと。両親の兄弟も従兄弟たちも、祖父母の兄弟たちも、とても優しく接してくれた。それなので自分もそういうものだと思い、特に下の年代に対してそのように接してきた。受け止めることが自分の前提になったのである。そして年を重ねていくごとに、受け止められることが当たり前ではないことを知る。ここにもまた違いがあった。それが良いとか、悪いとかの話ではない。自分にとって、とても重要な恩恵を受け取った。
おわり
” 「 標 」では、小林豊という人間の輪郭を形成する標 ( しるべ ) として、ふと言葉になった想いを素朴に、そして素直に自由に書き記していきます。いつの日かその目印がつながり、自分の輪郭を示してくれるのを心待ちにしながら。”
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– 自分らしく、しあわせに生きること –
COBAKEN LIFESTYELE LABO

1977年、広島生まれ。ファシリテーター。広島県竹原市と岩手県盛岡市の二拠点生活+旅。スキナコトヲ スキナトキニ スキナトコロデ、とういう生き方。ファシリテーターとして促すのは、目の前の相手の人生。
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