– 旅が僕に教えてくれたこと –
小林 豊、という人間が旅を重ねてきた中で、自分が体験し、感じたことを自由に綴るエッセイ、「 旅が僕に教えてくれたこと 」。5回目となる今回の投稿では、対話の場が必要とされている理由、というテーマで言葉を綴りました。
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対話を通じて自分を知っていくことで、欲しいモノもハッキリしてくるし、自分がどんな毎日を暮らしていきたいのかもハッキリとしてきます。そうなると毎日がどんどん楽になり、毎日がよりクリエイティブになっていきます。
白か黒か、そんな風に2択で考える時代は終わりました。
「 白なんだけど、だいぶ黒に寄った感じかな。」
「 白ではあるんだけど、もう少し赤っぽい感じ。」
なんて、2択で人に尋ねても答えの出にくい、今はもう、そんな世の中です。
二元論から三元論以上へと移行した今は、対極に存在するもの、陰陽に目を向けることが前提の世の中でもあります。
例えば自分の好きなところや良いところなど目を向けやすい陽の部分と、自分の嫌いなところやこの世に抱えて生まれてきた人に言えない陰の部分の両方に目を向けながら、その状態で自分にとっての前に進んでいくのです。
とはいっても、実はもともとそうなんです。いろんなことをカタチにしてきた人はもともと、自分の陰の部分にも陽の部分にも目を向けてきたのです。変わったことがあるとすれば、それが個人に求められるようになったこと。
理由は複数あると思いますが、ダイバシティーといわれる通り、多様な世の中になったことがひとつだと思います。
携帯やパソコンを開いて検索に必要な言葉を入れさえすれば、子供からお年寄りまで誰もが世界中の情報を検索することができます。そして、細かく分類された職業に、数えきれないほどのノウハウなど、多様な手段が今の世界には存在しています。
そんな中で、地域でなんとなくで共有してきた基準や、人がどう生きるのかなどのスタンスが、ますますバラバラになってしまいました。
平和や幸せ、常識や普通など、一般化された言葉ではもうそれぞれの解釈が違いすぎて、共通認識を持って関わることが以前よりも難しくなりました。でも多くの人は、皆同じ考えだ、自分の言っていることが正しい、という誤解を持ち続けていて。
今から必要とされているのは個人においての基準の再定義で、例えば自分にとって何が幸せなのか、自分はどのように毎日を過ごしたいのかなどを改めて見つけていくことです。
幸せも十人十色であり、百人いれば百通りの幸せがあります。今まで決められてきた幸せのカタチを手放して、改めて自分が何を望み、何に喜びを感じるのか、そんな個人においてのしあわせの再定義を行う必要があります。
そのためには、それぞれが主観で話し、場や個人の目的に向かって探求や発見をしていくダイアログの場が必要だと僕は思っていて、ダイアログの場では自分と人との違いや共通点など、人と接することからたくさんの気づきや学びを得ることができます。
ダイアログの場には、勝とうとする人はいないのです。
だから、もし誰かひとりが正しいということになれば、それはその場の全員が正しいということになり、誰かひとりが間違ったということは、その場の全員が学びをえることになります。
そんなダイアログの場を、癒しの場、という人もいれば、刺激の場、という人もいて、ダイアログ自体も人によって見え方が自在に変わります。その理由は、その場に集う人の目的によって受けとる内容が変わってくるからだと思っています。
とはいっても、きっと根底にあるものは同じなのでしょう。多様な世の中といわれますが、あくまでそれは手段が多様化しただけであって、その向こうにある目指すものはとてもシンプルに限られたものに感じられるのです。
何が欲しいかハッキリしていないから嫉妬する。
これはここ最近で1番印象に残っている言葉です。確かに、欲しいものが明確になると嫉妬しなくなります。それは今の旅する生活が教えてくれていて、今の世の中、目的を達成するための手段なんて、いくらでもあるのです。
ダイアログを通じて自分を知っていくことで、欲しいモノもハッキリしてくるし、自分がどんな毎日を暮らしていきたいのかもハッキリとしてきます。そうなると毎日がどんどん楽になり、毎日がよりクリエイティブになっていくことを旅する生活で重ねてきたダイアログで確信しています。
今の暮らしに、私が思ったことを言える環境と、その反面、相手が思ったことも聴ける環境を加えること、そしてそれぞれが欲しいものを明確にすることで、世界は大きく変わっていきそうです。
だから、僕らの暮らしにダイアログを。
毎日をより楽に、そしてより心地よくしていきましょう。
おわり
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これまでもこれからも
心がおどる、たのしい日々を。
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございます。
– 自分らしく、しあわせに生きること –
COBAKEN LIFESTYELE LABO
1977年、広島生まれ。ファシリテーター。広島県竹原市と岩手県盛岡市の二拠点生活+旅。スキナコトヲ スキナトキニ スキナトコロデ、とういう生き方。ファシリテーターとして促すのは、目の前の相手の人生。
詳しいプロフィール ⇒ cobaken.net/profile