– 旅LOG – 旅する暮らしの記録
2016/10/05(水)
二十四節気 秋分 ( しゅうぶん )
七十二候 第四十八候 水始涸 ( みず はじめて かる )
竹原の家で迎えた朝。下からラジオ体操の音が聞こえてくる。また目を瞑ると７時過ぎまで眠っていた。そこでやっと起き上がりカーテンを開け、部屋に光を取り入れる。
今朝もまずは、瞑想から始めた。窓に向かって座り、ゆっくりと自分の中を整える。ここ数日、自分の波が激しい気もしていて、それを静かな水面のように整えたい、そう思う。
瞑想を終えると、心地いい音を聴いた。離れている時はいつも、朝のこの時間を確保する。二人の共通の想いとして始めたことで、それを可能としてくれる文明がありがたい。
写真を撮るために家の中を歩いてみた。そして、作業場から外に出る。まるで夏のような気候の中で、どこか秋を見出している気も。風、景色、空の色。それらが教えてくれる。
ひとり、遅めの朝ごはんを食べる。１日２食、これが今の自分にちょうど良い食事のペース。あとは晩ごはんが昼ごはんで１食食べたら終わり。それが今の自分の巡りみたい。
家を出て、歩いてモントへと向かった。幼稚園の横を通ると、先生が挨拶をしてくれた。自分が子供の頃から変わらない声。いつもこうして、この町に見守ってもらっている。
モントは先日で営業を終了し、新店舗に移転する。名前も変えて。自分がカウンターに入っていたお店。当時のいろんな思いが思い出されて、その全てを許せた自分もいた。
そんな移転のお手伝いにちょうど帰れてありがたい。タイミング的に少ない時間だけど、可能な限り片付けのお手伝い。大切な場所だから、とにかく今の自分にできることを。
片付けは、やった分だけ片付いていく。扉を閉めると蒸し暑くて、汗が見事に首筋を伝って。一緒に自分の中の何かも整っていくのだと思う。掃除というのは、そういうもの。
午前の作業を終えて、しんちゃんと一緒にヒロハウスへ。ドリアとビールを頼んだ。自分が竹原に居る、という実感が湧いてくる、そんな緩やかな時間を過ごさせてもらった。
結局、午前中で片付けを終えて、歩いて家に戻る。次に竹原に戻ってきた時には、新店舗でお酒を作る姿が見れるわけで、その日を楽しみにして、これからも旅を続けたい。
部屋に戻るとしばらくゆっくりと過ごした。身体の重みなのか、心の重みなのか、今回の竹原への滞在中の自分には、どこか大きな変化を感じる。気のせいなのかもしれないが。
横になっているとそのまま眠っていた。最近は夢をよく見る。その夢の中でよく、懐かしい人に出逢って。それでもう、再会した気分になっている。元気そうでよかったと。
起き上がり、パソコンでの作業を始めた。やりたいことは沢山ある。でもなかなか、進められないのがここ最近の自分。何らかの引っかかりが、自分の意欲を削いでいる。
早くも晩ごはんの時間となった。同じ日本語でも言葉で通じないものはとても多い。ビールを飲みながらそんなことを振り返った。でも、それはそれで問題ないとも思う。
部屋に戻ってまた、パソコンでの作業を再開した。この下書きを終えたら作業を終えて外に出よう。そんな流れを自分の中で決めて、サクサクと言葉を打ち込んでいった。
作業を終えて、明日の朝、飛行機に乗るまでの流れを確認する。帰ってくる時間を決めて、カメラと本を持って外に出た。夜風が当たる。夜は少し、風が涼しくて気持ちいい。
ヒロハウスでゆったりと、竹原での夜を過ごそうと思って。珈琲を飲みながら本を読んだり、マスターと話したり。たっちゃん達も登場して、お店の中が少し賑やかになった。
今日はちょうど、えっちゃんの誕生日だった。なので、早く帰ることは諦めて、可能な限り、ヒロハウスでの時間を楽しんでみた。これもまた、必要な出来事なのだと思う。
夜遅く、竹原の町を歩いて戻る。町並み保存地区でちかちゃんを見送って、静かに家路へと着いた。何度歩き続けたこの道は、今もこの景色の中心で僕らを待っててくれている。
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ヒロハウス
小林豊が旅する暮らしの中で体験した、スキナコトヲ スキナトキニ スキナトコロデ、という生き方。そんなしあわせで心豊かな日々を過ごすの毎日の記録、それが旅LOG 。
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１９７７年、広島生まれ。ファシリテーター。広島県竹原市と岩手県盛岡市の二拠点生活＋旅。スキナコトヲ スキナトキニ スキナトコロデ、とういう生き方。ファシリテーターとして促すのは、目の前の相手の人生。
詳しいプロフィール ⇒ cobaken.net/profile
