– 旅LOG – 旅する暮らしの記録
2016/10/06(木)
二十四節気 秋分 ( しゅうぶん )
七十二候 第四十八候 水始涸 ( みず はじめて かる )
竹原の家で迎えた朝。眠ったのは２時間ほど前。起きようと思っていた時間の２５分後にやっと起き上がる。まだ、窓の外は暗く、夜が明けていないことを実感させてくれた。
まずは瞑想から始める。思い返すとこの日の瞑想が一つの区切りだったのかもしれない。喪が明けたことで手放すものの全てを、この瞑想で流すことができたのかもしれない。
寝る前に出していた服を確認して、バックパックに荷物を詰め込んでいく。もう、東北は日中も涼しいらしい。だから戻ってきた時よりも余分に、秋冬物の服を荷物に加えた。
携帯を見ると充電されていない。それよりも驚いたのが、目覚ましをかけていなかったこと。執念で起き上がり、こうして準備を整えられて良かった。どうやら運がいいらしい。
母に送ってもらってバス停へ向かった。その際、おにぎりとお茶を受け取る。次に出逢えるかどうかなんてわからない。それが旅立ちであり、だからこそ再会の喜びが大きい。
乗合タクシーが広島空港に到着したのは出発の２０分前。そのまま荷物を預けて保安検査場を通り抜ける。そしてすぐ、機内へと乗り込んだ。機内にはたくさんの人がいる。
いつも通り、コンソメスープをもらった。そのタイミングでおにぎりを食べる。リュックの中で少し潰れてしまったが、優しくて温かい気持ちになれた。人の想いは物にも宿る。
羽田空港に着陸した。その衝撃に驚く。着陸態勢に入った頃、やっと眠ることができ、つかの間の睡眠に水を差された形に。でも、こうして無事にたどり着いてありがたい。
第１ターミナルに移動してかなと合流した。もう１年近く逢ってなかったみたい。この４〜５年、一緒に自分を解き放ってきた仲間の一人。ふり返ると、あっという間だった。
その、かなのお腹が大きくなっているのが嬉しい。もう直ぐ７ヶ月らしい。そんな、仲間の変化を味わいながら、東京への短い滞在が始まり、かなは広島へと旅立っていった。
まずは、ベンチに座ってひと休み。とにかく眠い。子供が遊んでいる声を聴きながら目を瞑る。こくりこくりと頭が垂れていった。そして目を開き、また瞼を閉じるの繰り返し。
ふと、覚悟を決めて立ち上がった。カフェで珈琲を飲みながらパソコンを開く。この後のことを考えて、電源を確保した。そして意識が続く限り、パソコンに言葉を打ち込んだ。
程よいところで切り上げると京急で品川まで移動する。モノレール派だから実は新鮮な景色。思いの外早く品川に到着し、人ごみをかき分けながら改札の外へと歩いて行った。
Gallery201 という、閑静な住宅の中にあるギャラリーへ。沖縄のしのぶちゃんの個展がタイミングよく東京で開催されていて。なので、ほんの少しだけ顔を見に行くことにした。
オーナーさんも一緒にお茶を飲みながらお話を。自分をうまく説明できないのがもどかしい。後で旦那さんもわざわざ顔を出してくれて。おかげでまた、自分の世界が広がった。
品川駅に戻り、高輪口から港南口に抜ける。今はこの人ごみの中にいても寂しくない。東京に来るようになった最初の頃はとても寂しかった。今だからそれがわかるみたい。
外に腰掛け、風を浴びながら心地いい音を聴く。今日は色々と大変だったらしい。同じ人間からいろんな音が 聴けるのが面白い。それでも根本は同じ音から生まれている。
今度は東京駅に移動した。バスの時間までどこに滞在するか、それを考えながら練り歩く。ご飯もお酒も珈琲も今は欲していない。そして見つけた、八重洲口２階のテラス席へ。
そこでもまた、心地いい音を聴いた。明日の昼にはリアルに聴くことができる音。だからこそ待ち遠しいのかもしれない。そんな想いを胸に、綺麗で真っ直ぐな音を聴き続けた。
やっと時間が来てバスに乗り込んだ。今日はノンアルコールで眠れるのかどうか。後ろの方の席に座り、シートを思いっきり倒す。そして何の問題もなく眠りについていた。
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小林豊が旅する暮らしの中で体験した、スキナコトヲ スキナトキニ スキナトコロデ、という生き方。そんなしあわせで心豊かな日々を過ごすの毎日の記録、それが旅LOG 。
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１９７７年、広島生まれ。ファシリテーター。広島県竹原市と岩手県盛岡市の二拠点生活＋旅。スキナコトヲ スキナトキニ スキナトコロデ、とういう生き方。ファシリテーターとして促すのは、目の前の相手の人生。
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