– 旅が僕に教えてくれたこと –
小林 豊、という人間が旅を重ねてきた中で、自分が体験し、感じたことを自由に綴るエッセイ、「 旅が僕に教えてくれたこと 」。11回目となる今回の投稿では、成果報酬、という生き方、というテーマで言葉を綴りました。
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成果報酬というカタチをとりながら生きていけると、僕自身が理想とする生活に近いのです。だから成果報酬を実践しながらそこへの道を模索していきたい、そんな想いがあります。まずはそれに向けて今、成果報酬に関して自分が知っていることをいろいろと書き出してみたいと思います。
– 自分が理想とする報酬の受けとり方 –
「 対話を終えた時に手にした成果の分だけ、僕の生活や活動の応援をしてください。」
これが今、僕が理想とする報酬の受けとり方です。対話によるヒーリングセッションをする時に、最初の段階で金額を提示して契約することはやめました。やめた理由は、契約をしていようがしていまいが結局、目の前に困っている人がいたら自分は、今の自分にできることとして話を聴いて整えながら、解決に向けて促してしまうからです。
それにここ最近、旅する暮らしを初めて出逢った人からの喜びの連絡をいただくことが増えました。「 あの時話したことがカタチになった。」って。カタチになるまでの時間は人それぞれではありますが、1年半から3年くらい、それくらいかけて、手に入れているようなのです。
僕が提供する対話によるヒーリングセッションでは、即効性は不要だと思っています。とにかく主体的に、自分に目を向けながらひとつずつ解き放っていく、それが大切なことだと知ってしまいました。
痛みを止めるための薬も必要だけれど、それと同時に根本治療も大切だと思います。根っこの部分が治らないままだと、何度も何度もカタチを変えて、問題が目の前にやって来てくれるので。痛みを止める薬を売りたい人にとっては、良いことではあるのでしょうけどね。
以前は、対話によるヒーリングセッションは3時間 50,000 円から、ファシリテーターであれば2時間の場で 100,000 円から、自分にはそんな価格設定がありました。その契約を事前にすることで依頼主の覚悟を測る、という視点もありますが、そんな準備はもう、不要になりました。
あと、僕にはクライアントはいるけれど、お客さまはいません。対等な関係性で。その代わり、仲間や友人はいます。それが僕に成果報酬というカタチを考えさせる要因のひとつなのかもしれません。だから、新規のお客さまに出逢う、というためのことはやっていなくて、これから先、一緒に活動していく仲間を求めて生きています。
「 話をすることで対価を得て旅をしている、ということは、この人と話すのにはお金が必要なのだろうか。さっき少し話したからお金を払う必要があるのだろうか。」
初めて出逢った時にこんなことを思った、と教えてもらいました。
そんなことはありません。お金を払わない人にはここまでしか話せない、なんてことができないので、お金をもらおうが、もらうまいが、自分が話すことは変わらないし、相手に向けて発するエネルギーも変わりません。
受けとり手としてはお金を払うなどの巡らせてる自覚があった方が受けとりやすいかもしれませんが、エネルギー交換自体は、その瞬間に成り立っています。等価交換というカタチで。だからきっと、受けとる必要がある分だけ受けとる、そんなものだと思います。
【 自分の基準で価値判断 】
投げ銭もある意味、成果報酬ですね。価値を自分で決めること、これは、COBAKEN LIFESTYLE LABO の研究テーマのひとつである、現代的遊牧民の必須事項、に関連しています。
お金や評価など、外的要因に惑わされず、自分の基準で価値判断する。これは意外にも普段体験する機会が少ないことです。自分にとって価値があるのかどうか、それを考える機会としていいのではないか、と勝手に思っています。
実際に投げ銭をしてみて帰ったあとに、「 もっと少なくすれば良かった 」「 もっと入れてあげれば良かった 」などなど、自分の基準に目を向けることができる、そんな機会になればいいと思います。そこには正解、不正解はなく、自分がどう思うのかだけのことなので。
売り手と買い手の学びのバランスが崩れている、そんな風に思う機会がありました。すべての人が、というよりは、全体的に見たバランスです。
売り手は必死に学びます、どうやったら売れるのか、と。買い手も学びます、何か大きな失敗や収入と支出のバランスが崩れたりすれば。もしくは、大きな買い物をする時は。なのでやはり、売り手が学ぶ確率の方が高いのです。中には、マーケティングを買い手を支配する術として学ぶ人もいるでしょう。
相手の欲求や欲望に訴えかけて、実際、必要のないものにまで手を出させます。買ってもすぐ使わなくなるような、そんなものを。そしてまた、「 これいいな 」と思わせて買わせる、このくり返しです。結局、このやりとりのおかげで目の前のお金は動いているのかもしれません。
自分が本当に必要なモノは何なのか、それがわかりさえすれば、いちいち人に嫉妬したり、腹を立てたりする、そんなネガティブなエネルギーに満ちた毎日から離れることができます。原因のわからない自分の渇きに惑わされて、あれやこれや購入することもなくなるでしょう。
人が人に嫉妬するのは、自分が欲しいもの、必要としているものをその人が持っているから、です。それが何なのか知ってしまえば、あとはそれを手に入れるために人は行動します。人に嫉妬している場合じゃなくなるので。
そんなことを踏まえて考えると、これから先、売り手も買い手も成長の割合を合わせていく必要があるのではないかなと、勝手に思っています。だから、自分の基準を持って価値に目を向ける、それがとても大切なことになるのだと思います。
【 どっちでもいい 】
僕が受け取る対価は変わらず、お金に限りません。僕が必要としているものであれば、僕にとってはそれが自分に必要な価値なので、お金でも現物でもどちらでも構いません。お金に依存せずに生きる、という想いを持っていますが、お金を否定する気は全くなくて、むしろいつも助けてもらって今こうして生きることができています。
もともと成果報酬で生きたかったのもあるし、単純に、最初に契約して行うのが嫌になったのも理由のひとつです。そもそも事前に契約をするカタチと目的が違うから、だから自分の目的に合ったカタチを選ぶ、ただそれだけのことなのです。
たとえ、成果が出たのに応援されなくても、実は構いません。何か成果が出たら旅の応援をしてくれたらいいよ、とは言いますが、応援してもらえても、応援してもらえなくても、それはどっちでもいいです。僕は僕にできることをした訳で、その先にまた必要なことがあれば、それに必要なエネルギーは必ず巡ってくるので。だから、どっちでもいいのです。
それに、巡らせる必要があるものに執着して自分で抱え込むとしたら、抱え込んでいる人に滞りが出るだけなので、僕の人生には何の問題もありません。だからそれでいいのです。また、その問題を解決するために自分の価値を提供する必要があれば、喜んで提供しますし。
成果報酬は、自分にとって実験の一環であり、今はとにかく、これで生きていけるという体験をするためのものです。ただ、確信的なところもあります。自分が自分の役割を果たすために必要なものをきちんと明確にしておけば、それが巡ることは体験済みなので。
だからこの、成果報酬、という生き方もうまくいくと思います。もしかしたらうまくいかないかもしれないけど、うまくいくまでやります、きっと。だからうまくいくはずです。
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そんな日々を。
1977年、広島生まれ。ファシリテーター。広島県竹原市と岩手県盛岡市の二拠点生活+旅。スキナコトヲ スキナトキニ スキナトコロデ、とういう生き方。ファシリテーターとして促すのは、目の前の相手の人生。
詳しいプロフィール ⇒ cobaken.net/profile