旅LOG【価値の基準。】 – 2015.01.15 - 小林豊公式ホームページ

– 旅LOG –
３分で読める、旅人の日常
東・東南アジアを旅しながら生活する小林豊の旅先での日常をお届けします。人に出逢うことや街を歩くこと、生活を感じることなどのそんな日常から、自然とあなたは必要な気づきを手にすることに。

ブログの読み方のご提案-準備-

FIND THE WORLD 4th season
Chapter.YU-04
広島県竹原市 – TAKEHARA / HIROSHIMA / JAPAN –
2015/01/15〜2015/01/21

岡山駅でホームに立っていると、車両の真ん中に描かれている「 SUN LINER 」のこの文字が目の前に表れた。

どうやら乗り口を間違えていたようだ。

「それで俺の後ろに誰も立ってなかったのか…。」

少し恥ずかしい気持ちにはなったけど、目の前にある「 SUN LINER 」の車両を見て、なんか嬉しい気分になった。どうやら僕は新しくてキレイな車両よりも、歴史を感じれる車両の方が好きみたいだ。

中に入って席に座ると窓の下側のアルミには落書きがしてあって「 H3.12.8 」と記されていた。約 23 年前。これを書いた人も僕と同じくらいになっていると考えると、何とも言えない時間の積み重ねを感じる。

そんな岡山からの電車に乗っていると思い出したことがあった。

あれは確か、2006 年 6 月 20 日。

時間に終われる毎日を選択してた頃の僕には、鈍行なんて選択肢になくて。岡山からでも、ほんの少しでも早く着くように新幹線に乗ることが車以外の選択肢としては当たり前だった。

その頃、家業の資金が回らなくてお金がなくて。そんな中、岡山の友人たちに逢いに行って３人それぞれのこれからの門出を祝ったのだが、その時は鈍行で竹原から岡山を往復した。

その日はある友人が株式会社にしたこと、ある友人が起業するために職場を辞めたこと、そして僕が個人事業主として動き始めたこと、それらのお祝いだった。

当時の僕の価値観からすると鈍行でしか行けないことは屈辱でしかなくて、その悔しさをバネに自分の事業と家業の再生の為と思って過ごした。

でもどうもうまくいかず、結果、2013 年末をもって僕は完全に家業から離れることになった。

そんな出来事があったからこそこんな僕が存在するのだが、その僕は今、早く移動することに価値を感じていない。

「お急ぎの方は○○駅で快速○○行にお乗り換えください。」

というアナウンスを聴くと、「みんな急いでいるんだなぁ。」と純粋に思ってしまう。「時は金なり」と言いながら１分１秒を争う、そんな生活を僕はしたくない。

でも、先のアナウンスは早く目的地に着くことに価値を感じている人にとってはとても価値あるアナウンスなのだ。

そう考えると僕にとっての移動においての価値とはなんだろう。

・人の生活を感じること
・可能な限りゆっくり移動して、バランスを崩さないこと
・のんびり過ごせること

ぱっと頭に浮かんだのはこれくらい。他にもあるかもしれないが、早く着くということは今はあまり必要としていないようだ。

このように価値も人によって変化する。

そう考えると、この多様な世の中における価値という存在はとても面白い。

どんな人に何をどうやって届けるのか。今まで自分がやってきたことを整理するのにとても大切なことを再確認させてもらった。

「これからもますます、人それぞれが持つ価値観に触れていきたいな。」

窓の景色を眺めながらそんな風にも思った。

おしまい

旅先での発見や気づきのメモ

・価値は人によって変化する。

・個人が持つ価値も時とともに変化する。

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KOBE / HYOGO / JAPAN –
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