ユパさま、というメンター。| 旅が教えてくれたこと #009


Ver.1.1.5



– 旅で体験し、旅から学んだこと。 –




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僕は、旅人という生き方を選んだ。

旅人には旅をする義務があり、

旅先で目にした世界を伝える役割がある。


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僕が理想とする旅人のイメージは、「 風の谷のナウシカ 」に出てくる「 ユパ・ミラルダ 」氏、ユパさまの印象が強いです。スナフキンとも、フウテンの寅さんとも言われてきたけど、僕の中ではユパさまがしっくりきます。

とはいっても、ナウシカの映画と漫画の中でしかわからないので、ユパさまという人の大半は僕の中で生まれた幻想だけれど、今回は僕が個人的に思うユパさまという人について書いていきます。


ユパさま




これが僕が勝手に想う、ユパさまです。


1. 腐海の謎を解くために旅を続けている人
2. 腐海辺境一の剣豪でありながら、争いを好まない人格者
3. 自分の義を貫き、次世代に託せる人


それでは、これらについて僕自身のことも含めながら、独断と偏見で掘り下げていきます。






1. 腐海の謎を解くために旅を続けている人


ユパさまとナウシカとカイとクイ


映画の中でユパさまは、「 探し続けるよう定められた男 」と大ババさまに言われていました。そんな彼は、トリウマのカイとクイとともに世界を旅し続けています。その旅の目的は、腐海の謎を解くこと。そのおかげか、各国の文化や歴史にもあかるく、世界のどこでも生きていける強さを持っています。

腐海の謎自体は、物語の主人公であるナウシカが解いていきます。腐海が世界に対して行なっていること、そして腐海が生まれた理由や真相も。そんな視点や行動力を持ち備えた存在がすぐそばにいるユパさまは、時代の転換期の、先鋭的なニュータイプなのかもしれません。ただ、時代が変わってしまえば、理解力のあるオールドタイプになるのでしょう。

そんな狭間の視点や感性を持った存在は、中途半端に理解ができる分、妙なもどかしさを持っているのではないでしょうか。新しい時代においてはオールドタイプとなる人たちからはもてはやされ、時に邪険にあつかわれ。そして新しい時代を迎える前に、ニュータイプのその世界観や感性にふれ、自分自身との違いを痛感するはずです。




僕には、COBAKEN LIFESTYLE LABO という屋号があります。そんな屋号を掲げてやっているのは、人の暮らしを探求すること。そしてその目的は、日常をより良いものにするため、です。その先には、心から笑える世界が広がること、というビジョンがあります。漠然としていますが、僕の想いはシンプルです。


そんな想いを掲げながら、今探求しているテーマは「 暮らしの中にある日常 」です。毎日の暮らしの中にある、大切なことに目を向け、切り取りながら、旅する暮らしを続けています。当然だけど、僕や僕らの暮らしにも、僕が出逢う人たちの暮らしにも、たくさんの日常があります。その中に僕らが生きている中で、大切にする必要があることが隠されていると考えています。


そんな体験や、「 人がより良く生きるためには何が必要なのか 」という問いから生まれたのが、「 対話のある暮らし 」と「 旅する暮らし 」です。毎日の暮らしの中に対話や旅を取り入れることで生まれる、自分を生きることへのヒントやきっかけを日々得ながら、昨日の自分よりもよりより良い自分であり続けます。

ただし、何を以って良いとするのかは、人に委ねられます。十人十色、百人百様。基準は人の数だけ存在する、という考えが前提なので。どちらにしても大前提は、自分を生きる、ということです。そのためにも、目に見えるものも、目に見えないものも大切にしながら、胸を張り、でも穏やかに、納得しながら自分を生きていくのです。




僕にとってはそれが、ユパさまと重なるところで、旅を重ねながら、「 人がより良く生きるためには何が必要なのか 」の解を求めて、人の暮らしを探究し続けているところです。


旅人という生き方はもともと、自分を知るために始めたのですが、今は地域教育を再構築する、そんな目標のために必要な出逢いや体験を得ながら旅をしています。世界のどこでも生きていける、という体験もそのひとつです。それが何に必要なのかはわからないのですが、その体験があることで出来ることが必ずある、という、根拠のない確信だけはあるのです。




2. 腐海辺境一の剣豪でありながら、争いを好まない人格者


ユパさまとジル王


ユパさまは、風の谷の王であるジルの友人で、風の谷に戻ると人たちに歓迎され、多くの人に囲まれた中で、子供たちに名前をつけることを頼まれたり、なんらかの祝いの日を迎えた子供たちにモノを渡していました。そして、ナウシカの先生でもあります。

剣という自分や人を守る術を極めているのですが、争いを好まず、自分の身を呈してでも場をおさめるシーンが何度かあります。そして、他の国の人間にもその名が知られており、一目置かれている存在です。そんなユパさまの旅は、ひとり旅ではあるけど孤独ではない、勝手にそんな印象を受けました。




僕自身が何かを極めるとしたら、それは対話を極めること、ですかね。ファシリテーターという職業からしてもそうなのですが、それよりも、まっすぐにきれいな音を発しながら、世界のすべてを受け容れられる、自分自身のあり方としても対話を極めたい、そう思います。

対話を重ねながらコミュニケーション力を高めること。渡り鳥のようにまちからまちへと移動して、人が自分を生きるための種を運ぶこと。自分を生きるために動き出した人たちに、「 芽が出たね。」と春を告げること。そんな自分であり続けます。


この旅を続けた先には、定住者と交流人口が交わる世界をイメージしています。まちに暮らすコミュニティと、僕らのように移動しながら暮らすコミュニティとの、自立したもの同士の前向きなつながりがカタチになっていくのでしょう。

それはまるで、縦糸と横糸を紡ぎ一枚の大きな布が出来上がるかのように。旅と対話を重ねた先に、そんな世界がカタチになっていくと信じています。これも特に根拠はありませんが、そんな結果につながっていくと確信しています。

だからこそ僕には、対話を極める必要があるのです。




3. 自分の義を貫き、次世代に託せる人


ユパさまとクシャナ


ユパさまは映画ではなくマンガの中で、トルメキアへの復讐に燃える土鬼の女性が放った手投げ弾で左手を失い、直後に土鬼の戦士の刃からクシャナを庇って死亡しました。自分の役割を全うするために、自分の判断で旅を続けているからこそ、偏見の無い視野で物事を見つめ、自分の義によって生きている、そんな印象を私は持っています。

そして次の世代に託すこと。ユパさまにとって、生きている今だけがすべてではないのでしょうね。フラットな視点だからこそ見える、今という瞬間の中にある未来をきちんと信頼しているのだと勝手に思っています。最初っからそうだったのかはわかりませんが、旅を続けてきたことは確実に、ユパさまの世界を大きく、そしてシンプルにしていったのだと思います。




次の世代に託せる、そして次の世代の盾となれる自分でありたいです。身近なところで伸びてくる芽を押さえつけながら、でも私を超えなさいと言っている人がいます。壁となって成長を促しているのかもしれないのですが、それはひとつのビラミッドの中の世界であり、結果、上に行かれるか、下のままいさせるのか、いわゆる勝ち負けの世界です。

でも、どうなのでしょう。個と個が学ぶ関係を結んだとして、それをいつまでも教える人と教わる人、そんな関係性だけにこの世界は留まるものなのでしょうか。教える側も教わる側から常に学んでいるし、教える、教わるの一方通行な関係性など、そもそもこの世に存在しないものなのだと思います。


とはいっても、これは頭での理解で、やはり自分よりも若い世代が台頭してきた時、正直それはとても怖がるのかもしれません。若いうえに自分よりも凄い才能や世界観を持っていて。そして、自分の役割をきちんと果たしている、その姿を見るととても不安になるかもしれません。

それでも、僕たちの目の前にある時間の流れは未来に向かって流れています。それは、僕が怖れようが怖れまいが。それなので、子供たち、孫たち、ひ孫たちと続いていく、僕が生きているうちに見ることの出来ない未来に向かって、僕の持っている義を基準に、フラットな視野を持って今を生きていくことを選びます。そうしているときっと、自然と次の世代に託せるのだと思います。




以上、僕が独断と偏見で勝手に思い描いた、ユパ様という僕のメンターです。私もこんな旅人でありたい、心からそう思います。毎日ほんの1%ずつでも 0.1 %ずつでも、そんな自分に近づいていきます。ちなみに、ユパ様は45才ということなので、42才の私からあと3年。ひとまずその頃を目標に、この先も旅を続けていきたいと思います。




おわり




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