旅LOG【 湯治の町。】宮城県大崎市 – 2015.10.03




FIND THE WORLD 5th season
Chapter.YU-24
宮城県大崎市 – OSAKI/MIYAGI/JAPAN –
2015/10/02〜2015/10/04


– 旅LOG – 旅人の日常の記録
日本から東南アジアまでを旅しながら生活する 小林 豊 の旅先での暮らしをお届けします。旅先での人や街との出逢い、そしてその町の生活を感じ、そんな旅人の日常の記録です。

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– 自分を知る旅、それはダイアログのある日常 –




ここは宮城県大崎市、鳴子温泉郷のクリックするとリンクに飛びます 川渡温泉。その川渡温泉の中で自炊のできる昔ながらのクリックするとリンクに飛びます 湯治の宿、東五郎の湯 高東旅館に昨日から泊まっています。

一昨日の爆弾低気圧の影響か、20 代の頃にフットサルで授かってしまった古傷の左足首が昨日の朝から痛くて。仙台に向かうバスの中で足をずっと下にしていたことが、爆弾低気圧のふたつ目の原因ではないかなと思いつつ、身体が僕にくれたメッセージの意味を考えてみたり。


カーテンを開けると外はいい天気。でもまた布団に戻ってごろごろと、朝の時間を満喫。6畳の畳と窓側に板間が少しある部屋の真ん中に布団をひいていて、そこにごろんと横になってゆっくり、ゆっくりと朝の時間を過ごしました。

今回はいつもと違って、普段の人を訪ねる旅ではなく、場所を訪ねる、そう、僕にとっての旅行なんです。なんとなく、予定を決めずに旅をしたいなって思って、なんとなく、温泉でゆっくりしたいなと思って、なんとなく、宮城県にやってきて、なんとなく、ここ川渡温泉に泊まることにしてみました。


ふと布団から起き上がって遅めの朝風呂にゆっくりと。源泉掛け流しの湯の温度調節に何となく慣れてきたこともあって、水を入れながら軽快に湯をもんで、朝の日差しを浴びながらこれまたゆっくりと温泉に入りました。

風呂上がりに、お掃除中の女将さんと、その姿を見守る看板犬のテトにごあいさつ。女将さんの元気な声と、テトのとっても優しい目に癒されます。これもきっと湯治の一環ですね。


お風呂に入っったこともあってお腹も空いてきたので、まずはごはんの準備をすることに。といっても、昨日の晩ごはんに食べた鍋の残りに豆腐と春雨を入れて温めて、買ってきていたレトルトのごはんを電子レンジで温めて、一緒にいただきました。

これがね、昨日の鶏とカツオ出汁のやさたっぷりの鍋がいい感じに味が染み込んでいる所に、豆腐と春雨がやさしさを加えて、いい感じにご飯に汁物というコンビとなりました。


畳と日差し
窓から差し込む日差しが、とってもいい感じに部屋を暖めてくれました。


食後はね、洗い物をしてからしばし、部屋でパソコン作業に励みました。この生活は基本、どこにいても変わらないですね。作業する時間の長さは変わりはしますが。いつも通り付箋に書き出してある、やりたいこと・やるべきこと、の作業を早くやる必要があるものから順に。

いちおう、その優先順位の付け方は、まず、今日が最後の日、だと考えて、その状況の中で今日のうちにやっておきたいこと、と、次に、明日も毎日は続いていく、と考えて、明日からの毎日のために、今日やっておきたいこと、そんな風に順位付けしています。


ひとまずね、下書きをしていた投稿を仕上げてひとつの作業が終了。ということで、満を持して近所のお店に買い物に出かけました。


山田商店
とってもいい感じの雰囲気を醸し出している山田商店。お店の人もステキでした。


高東旅館を出て右に向かうとすぐ、小さな川があって、宿でいただいた地図のイラストからすると、春は桜の色に染まって、とてもキレイな通りになるみたいです。その小さな川の橋を渡って少し歩いた所に信号のある交差点があって、その四つ角のうちのひとつにある、山田商店にまずは向かいました。

今回の旅に出る前に交換してもらった文庫本、「 炎上する君 ( 西加奈子 著 ) 」の最初の頃に出てくる、白菜カレー、なるものを作るかどうか、それを悩みながらお店に入りました。なぜならば、昨日の夕方にこの交差点を山田商店と反対側に曲がったらある、竹野酒店でビールを買って帰る途中、道路から見える店内の中心に白菜が、どーん、と存在感を持って佇んでいたのがとても印象に残ってました。


「 どうしようかな、白菜大きいなぁ。」なんて思っていたら、白菜を半分に切ってくださって、しかもジャガイモも袋から2個だけ出してもらえて、たまねぎとしめじを買ってお店を出ました。昨日、仙台市内で買った1/4 の白菜よりも、半分に切ってもらった白菜の方が断然安くて、なんとびっくりなことでしょう。


総額の安さに驚いていたら、

「 その分は他で使ってあげて。」

って。ステキです。


続いて、先ほどの高東旅館から来た道をそのまま真っすぐ、信号を越えて進むとある、ミートショップかりのでお肉を手に入れます。今日はね、豚肉をカレーに入れようと思います、昨日は鶏肉だったから。なので、豚の小間切れを買って帰りました。しかもね、肉を程よい大きさに切ってくれてありがたいです。うれしいよね、お店屋さんとのこういうやりとりが。

そして店を出て道路の反対側にある、遠野屋嘉吉で、くるみどうふ、なるものを買って帰ってみました。名物ということだし興味があったので。横に並んでいたごま豆腐も美味しそうだな、がんもや揚げを昨日の鍋に入れたかったな、なんて思いながら、今回はこのくるみどうふを手に宿への道を戻りました。

そして最後に、「 また明日来ます。」と宣言して帰った、よしだ商店でカレーのルーを買って、すぐ隣にある高東旅館に戻りました。


クリックするとリンクに飛びます 川渡温泉 お店やさん案内


今日は昨日よりもたくさんのスリッパが入り口に並んでいたから、だから早めにカレーを作っておこうと、すぐさま共同の台所で野菜を洗って切りはじめて。初めて作る、白菜カレー、なるものはどのような仕上がりになるのか、若干の不安と野菜いっぱいのカレーへの期待と、そんな気持ちを併せ持ちながら、僕は鍋の前に立ちました。

油を入れて、たまねぎを炒めて、豚肉、にんじん、じゃがいも、しめじの順番で鍋に入れていきます。そして白菜を全部鍋に入れたら、一度蓋をして蒸し焼きにしてみました。待ち遠しくて鍋を覗き込む度に、鍋の底に水分が増えていて。白菜の水気ってすごいなぁ、なんて感心しながら、いい感じにしなっとなった具材たちに水を加えてコトコトと。

そしてルーを半分だけ入れてゆっくり混ぜたら白菜カレーの出来上がりです。


出来上がった白菜カレーを鍋ごと部屋に持っていって部屋の片隅に置いたら、今朝食べた鍋の残りをいただいて、くるみどうふもその時に食べてみました。

「 甘いのでそのまま切って食べてください。」

そう言われていたくるみどうふなのですが、ほんのり甘くて、やさしいお茶菓子のような、そんな感じでした。なんかね、豆乳で作った寒天のような、そんな懐かしい感じもして、ぺろっといただきました。めずらしい。

そのまま少しだけパソコンで作業をしたら、宿主さんにいただいていた地図を参考にして、散歩に出かけることにしました。散歩のお供にカメラと文庫本を持って。


田んぼのあぜ道
刈り取りを待つ田んぼがとってもキレイに輝いてました。


ナウシカの映画を最近見たばかりだから、この景色が金色の野に見えて仕方なくて。こんなステキな景色の食べ物を僕らはいただいて生きているんだよね。この循環が僕らの世界には存在してるから、だからそれに沿った暦が生まれて、それを大切に生きている。

今はまさに、収穫の秋。この前本を読んでいると、秋を、とき、と読んでいて、それはすごくいい表現だと思って。僕もずっと、その秋 ( とき ) を待ちながら毎日を過ごしていて、でもその秋 ( とき ) がいつやってくるのかもわからない。だからいつも人事を尽くすこと、今自分にできることをやり続けながら、その秋 ( とき ) というタイミングを信頼している。

そんな小難しいことを考えながらも、田と田の間のあぜ道を歩かせてもらって、緑に染まったやわらかい土の上を歩くことで、心は無邪気に、単純に喜んでいる自分がいました。


その先にあった、薬師田の杉・榎は、伊達政宗公が岩出山に城を構え、一体を統治していた頃、合戦の目標樹として北斗七星の形に植えさせた七本のひとつ、だそうで、長年この場所を見守ってきたのでしょうね。


薬師田の杉・榎
立派な幹から立派な枝が伸びてました。


この杉はその長い月日を眺めながらここに立っていたわけで、同じ場所に居続けることのできない僕には真似できないことです。でも、こんな大樹のような、多くの生き物が幸せに生きれる環境を与えられる、そんな存在でありたい自分もいます。

樹のそばにあるベンチに少し腰掛けて、ほんの少しだけダイアログをしながら過ごしてました。こうやって心と身体のバランスを整えることも湯治の一環なんだろうな。




また再び歩き出すと、まるで蓑を羽織った人のような、そんな収穫のあとに出逢いました。


田んぼと道
道のすぐそばに田んぼがあって。ここの稲はすでに刈り取られていました。


うちの地元の町ではあまり見ない形で干してある稲がまた不思議で面白くて、刈り取られた田のあとや、その近くで育てられていたそばの実、それに歩いてると一緒に飛んでくれている赤とんぼ。そんな秋の景色を眺めながらゆっくり、ゆっくりと歩く時間がとても心地いいです。

それに、木・火・土・金・水の五行が揃った場所は心地いい、こんな場所に来るといつも感じるんです。自然界に必要な要素ですかね。こんな風に言ってはいますが詳しいことはよくわかりません。でも、このあたりにあって都会にないものってのはなんとなくわかります。


田んぼの残り水
稲が刈り取られた田に残る水に、空がキレイに映ってました。


今は二十四節気の秋分であり、七十二候の水始涸 ( みずはじめてかる ) 。まさに水田に張られていた水を落とし、刈り入れの準備をしているところや、もうすでに刈り取ったところなど、実りの秋を感じる要素がたくさんあります。

こうして稲が刈られた田に残った水に映る空がとてもキレイで。でも僕のカメラの腕ではそれは写し出すことができませんでした。もしかしたら、これは直接見ることができた者だけが受けとるものなのかもしれません。リアルに体験すること、こんな些細なことでもきっと、大切なことなのだと思います。


鉄塔と電線と空
空がキレイな青色で、気持ちのいい散歩の時間を過ごせました。


ぐるっとその辺りを散歩して、また川渡温泉に戻ってきました。川渡温泉の西側の入り口からの道を高東旅館に向かって歩いて戻ります。左手に川渡小学校が見えたら、その向かいが高東旅館。でも、そのまま旅館を通り越して、昨日に引き続き竹野酒屋さんで大好きなキリンラガービールを買って戻りました。


宿に戻るととりあえず、畳の部屋に横たわってひと眠り。どうやら歩き疲れたみたい。本を読むにも進まないので、ここは1度睡眠をとることにしました。いつもの流れとは違うけど、安定の昼寝力がここでも発揮されたのでした。




部屋が暗くなっている中、ふと目を覚ますと、部屋の外から晩ごはんを作る音が聞こえてきます。時々、人が話す声も。僕の部屋のちょうど向かいが共同のキッチンだから、よく音が伝わってきてくれて、僕は眠い目を再び瞑りながら、「 他の人の準備が終わったら、カレーを温めて食べよう。」と心の中でつぶやきました。




ふと気がつくと、共同の台所は静かになっていて、なので僕は起き上がり、部屋のテーブルの上をキレイにしたら、白菜カレーの入った鍋とレトルトのご飯を持って台所に向かいました。鍋の余熱で味がしみ込んだであろう、この白菜カレーは、いい感じに白菜がくたっとなっていて、野菜好きな僕としてはとても楽しみな状態。

温めた鍋とレトルトのご飯を部屋に持って戻り、大きめのお椀に装ったら、部屋の冷蔵庫で冷やしておいたラガービールをプシュっと開けて、グラスにしっかりと泡を立てながら注ぎました。うまい。ビールもカレーも。白菜カレー、やさしくていいですね。幸せな時が過ぎていきます。


そのまま夜はのんびりと、ビールと昨日買っておいた赤ワインを飲みながら、神託カードを使って1〜3月の行動計画を書き出したり、パソコンでの作業をしてみたり、温泉でゆっくりと身体を温めてみたり、と秋の夜長を楽しみながら過ごしてみました。




明日には旅立つから、今回は2泊の湯治になるのですが、次はもう少し眺めに、もっとゆっくりと湯治の旅を味わいたいな。




おしまい




旅先での発見や気づきのメモ

・人事を尽くすこと、今自分にできることをやり続けながら、その秋 ( とき ) というタイミングを信頼している。
・木・火・土・金・水の五行が揃った場所は心地いい。

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